連休四日目(Pさん)

 連休四日目である。いわゆる世の中の暦で決まっている連休とは違う、元から個人的な理由で貰っていた連休で、コロナ騒ぎで完全に予定がポシャって、何もやることがない連休である。散歩に出るくらいのことはした。後は必要最低限の買い物くらいである。連休という言葉だけで最初ははしゃいでいたが、蓋を開けてみれば何もやることがない。これほど時間があることもないものだから、本を読むように自分に課していたのだけれども、これがまた想像した何倍か進まない。いろいろなことがまとまって、すべてコロナのせいだと思えてくる。コロナに関する誰ぞかの発言も、日に日にバリエーションを増している。そもそも日々の現状を伝える言葉がある。これを完全にシャットダウンしてしまえという人もいる。それはちょっと怖い感じもする。しかし一理ある。いつの間にか、そうと思わないうちに病んできているのかもしれない。それほど重症ではないと信じたい。しかし、精神的な鬱屈というのは、かなり面倒な問題ではある。僕は、少なくとも発散するような創作ということが出来ない。これも、前にも同じようなことを言ったかもしれないが、新しく何かをやろうという気力も、何となく削がれていく。ほんの少し体調を崩すと、すわ、と思い不安になる。職場で、なくもがなの問題みたいなことが起きているのを、その場しのぎでも考え続けた方が、まだ健康的に過ごせるのではという気もする。今まで、それこそ連休でもなければ考えなかったことだ。職場のことがあり、かなり生活や、健康に問題があると常々考えていた。どちらが正しいのか、わからない。

 昨日、雨が降る中を、植木屋に行って、テーブルヤシという観葉植物を、新たに買った。noteでも何回か話題にしたが、ガジュマルという植物を、何年越しかで育てている。三回くらい植替えを行って、今は背丈に近い高さになっている。いまや、持ち上げるのに苦労するくらいの植木鉢になっていて、水やりのたびにベランダに出すから大変なのだが、一方で前に使っていた植木鉢が、マトリョーシカのように余るのである。これを使いたいのと、植物にもバリエーションが欲しいと常々思っていたうえで、春はやっぱりどんな植物でもこれから育つ時期に当たるので、リスクが少ない。等の理由で、テーブルヤシを育てることにしたのである。
 前に、同様の理由で、一年かもっと前くらいに、エバーグリーンという、葉の繊細な植物を、二株育てようとしたことがあった。家では植物に名前を付ける慣習があって、二株あったことから「ベト」と「ドク」という名前にした。そんな不吉な、と言われたけれども、そのせいでもないだろうが、一か月くらいかけてゆっくりと枯れてしまった。それほど枯れやすい植物でもないと、いろいろなところに書いてあるのだが、10月という、植えた時期が悪かったかもしれない。あるいは、「根腐れ」という言葉を過剰に恐れていて、水やりを控えていたことも原因かもしれない。
 今回は枯らさないように、なるべく大きく育てていきたいと思う。植木屋で、たった数百円のものだった。なんというか、何物も、育てるというのはどこか業の深い行為だと思う。気軽には出来ない。

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