スピーカー(Pさん)

 スピーカーが家に届いた。いわゆるブックシェルフ型の、スピーカーといって思い浮かべるタイプのスピーカーを自分で買ったのははじめてかもしれない。スピーカーというのは、耐用年数というのはあるんだろうか。人生の長さから言って、気にならないくらいには持つのだろうか。知らない。兄がオーディオマニアで、といっても自分の知る限り一つしかスピーカーを買っていなかったが、これは本来何万する価値のあるところを、型落ちというか製造上の都合があってこれだけ安く仕入れた、聞いたかこの音を、素晴らしいといってことあるごとに自慢していたのが記憶にあって、それで自分でも買ってみたくなったのかもしれない。
 兄とは万事そこが違って、コーヒーを作るのにも兄は自分で焙煎する、最高の豆はどこそこに売っている、とあくなき追求をするのだが、僕はいちばん近所にそこそこ良い店があり、そこで豆を買って挽いて飲んでいる。スピーカーで言えば、僕はネットで引いてそこそこ評判があり値段的にまあそれくらいかというのを選んで買う。あくなき追求というのは、やりすぎて身動きが取れなくなるという場面がよくあるものだ。
 僕は、70パーセントのものが手に入れば、ちょうど70パーセント満足し、それ以上の価値なんて基本的にわからない、それが65パーセントだと何だか損した気分になる、しっかりと70パーセントに達していればよろしい。そんなものだ。
 そのついでに、昨日登録したAmazonMusicというのを、HDというのに変更した。倍くらい音質が上がるそうだ。聞いてみると、何だか音が近くなった気がする。

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