ある日の記(Pさん)

 出来心でコンビニで安い赤ワインを買って二杯分くらい飲んだら翌朝、いや昼過ぎまでまるで身動きが取れないくらい悪酔いして目眩がして起きても気分の悪さを引きずっていた。今まで、ワインと相性が悪いだとか、何の酒においても悪いなんてことは起きなかった、なので悪酔いなんてものは飲み過ぎるかどうかによるもので、あとは気のせいだ、くらいに思っていた。あとあと調べると赤ワインというのはアルコール以外で入っている成分が特殊だから悪酔いしやすいのだという。それにしても季節の変わり目の雰囲気も漂っており、周りにこういう時期に体調を崩しやすい人が非常に多く、見ていると影響されるというのもあるかもしれない。朝や雨上がりに冷気を感じるようになった。夏が暮れるのもこんなに早かっただろうか。何か夏らしいことをしなければ、と思いつつ、去年なにかそういうことをしただろうかという覚えがない。必ず今季何かをやるといったようなこだわりを持つ何かもなく、それを維持する気力もない。軒を見るとまた大きな蜘蛛の巣が張っていて、玄関先の廊下に蝉が転がっている。植物の類がメキメキ生命力を見せている。1日の過ごし方を振り返ると、確かに、小さな事ばかりではあるが去年とはぜんぜん違う。マッサージ店に通っているけれども店舗が違う、よく日高屋を使っていたが今はほとんど行かなくなった、部屋の模様が変わったなどなど。ずいぶんと垢抜けないことだ。それから去年は古本祭りによく顔を出したりなど、本を仕入れる機会が多かった。今年はその買い入れている本をいかに読むかである。それにしたところで、垢抜けないことには変わりない。

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