Newen Afrobeat(Pさん)

 Newen Afrobeatという、バンドというんだろうか、ミュージシャンの集団があって、この何日間かその人たちの音楽を聴いている。
 最近は、そんなに集中してこの人たちと定めて聴く音楽はなかった。やはり、スポティファイじゃないけど、定額配信制の音楽を、なんとなく流して聴いていると、このミュージシャンが聴きたい、とか、そういう強い意志みたいのがだんだん削れてきて、ジャンルとか、もっと広く自分が聴いていて心地よければそれでいい、というような聴き方にシフトしていってしまう。
 それと同じことが、Kindle Unlimitedでも起こるのだろうか。そこのところはわからない。それで考えると、もしかしたら、制度の前に、既にそういう態度形成みたいのが出来上がっているのかもしれない。
 ともかく、Newen Afrobeatは、そんな流し聴きの自分の音楽聴取態度を改めるきっかけに、なったかもしれない。
 このミュージシャンを知るきっかけは、フェラ・クティという、そのNewen Afrobeatという集団の創始者からだった。フェラ・クティという人は、僕の思うところでは、反骨精神に溢れた音楽を、多様に生み出すジャズミュージシャンだった。そう、ジャズというジャンルを探っている際に見つけたミュージシャンなのだが、他の、マイルス・デイビスなんかと同じで、その人がジャンルになったという面がある。結局、自分が創始者となる、アフロビートという、自身のルーツであるアフリカはナイジェリアの背景を強く持ちながら、ジャズというよりも古典ファンクの色合いがとても強い、リピートの激しい新しいスタイルを作ることとなった。
 しかし、フェラ・クティは割と早め亡くなってしまった。たぶん晩年に創始した、そのNewen Afrobeatが、残されたメンバーとともに、今までフェラ・クティが作った曲や、その他の曲を演奏しながら今に至る、という流れだと思う。
 アフロビートという、創始されたジャンルは、正直、ジャンルとして広域に広がったとは言いにくいと思う。しかし、その個人やいくつかのバンドと密接に結びついたスタイルは、それが広まるかどうかとは別で、とてつもない強度を持っていると思う。
 ぜひ聴いてみて下さい。

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