マガジンのカバー画像

USA・MAP

92
ウサギノヴィッチにエッセイマガジン。主に短編小説の書評のようなエッセイ中心だが、文学周りだけでなく、サブカルやガジェットまで取り扱う、なんでもエッセイ。
運営しているクリエイター

2019年7月の記事一覧

再生

ここにぼくの席はない

ウサギノヴィッチが自作の詩を読みました。 短いですので是非お付き合いください。

机の上でじっと見てる(ウサギノヴィッチ)

 それが夢だとわかるまでに半日かかった。  起きてから最初のうちは、震えがとまらなかった。起きてすぐには現実を現実だと受け止めきれずに、上半身を起こして部屋を見回したときに飾っているフィギュアがどこか悲しげな顔をしていて、まだ夢の世界にいるように感じられた。部屋が蒸し暑くて息苦しく感じたので、エアコンのリモコンをベッド脇にある机においてあるはずだったのに、手をそちらの方にやったが見当たらなくて、探すのが面倒だなぁと思って、ベッドに寝転んだところの背中のあたりに硬いものが当たっ

自己責任(ウサギノヴィッチ)

 彼女は悩んでいた。  空は広いのに、自分の心の中はこんなにも狭いのはどうしてだろうか。  雲が一つなく、群青色の絵の具で塗りつぶしたキャンバスのような空は、本当に彼女の心模様とは正反対だった。  彼女は六限目の音楽をサボり屋上に来ていた。友達には、「保健室に行ってくる」と言ったが、本心はだれとも会いたくはなく、元カレに教えてもらった方法で屋上に忍び混んだ。校庭では、授業でソフトボールをやっている男子がいて、その反対側では、女子がソフトテニスをやっていた。彼らはボールを追いか

はじまりとおわり(ウサギノヴィッチ)

特にテーマもなく書いてみる。 ラジオを始めた。 いろんなところで宣伝していて目障りかもしれないけど、PさんとYouTubeでラジオをはじめました。 編集のため何回か聞いたけど、Pさんのクセや自分へのダメ出しが出てくる。 ラジオはフィクションじゃないから、一発勝負でそのときそのときの瞬発力が求められる。自分で「ある」と言い切ってしまうとうぬぼれているみたいだし、自分には「ない方」だと思っているから、「じゃあ、なんでやっているの?」ってなってしまうけど、そんなのは経験だと思って

おむすびころりん(ウサギノヴィッチ)

 夢を見た。  ヒモをしているときにいた街の外れにある大きな河の土手を歩いていた。実際には、そんなところ歩いた記憶はない。そのときは。それから十年して、別の用事があって土手を歩いた。それは夜だったから、そこから見える景色は真っ暗だった。  ヒモをしているときは、彼女の実家に転がりこんでいた。つまり、両親公認のヒモだった。今、思うと最低だななんて思う。ただ、お金をたかることはしなかった。自分のお金は自分でなんとかしていた。それは内緒の方法で。その内緒の方法で持っているお金で、パ

怪物がやってきた(ウサギノヴィッチ)

 目を開ける夢を見た。  朝なのか外は明るくて、この季節にしては少し肌寒い。白い天井と壁、壁際にはパソコンの乗った机と本棚代わりに使っているカラーボックスが三つあった。部屋の中心にはゴミ箱が置いてあり、寝る前に飲んだ薬のゴミが入っているだけだった。  身体を半身だけでも起こすのも面倒なくらいだるかった。昨日のはお酒を飲んだわけでもないのに起きるのがかったるい。幸い今日は土曜日ということもあり、このまま寝てしまっても問題ないということをあまり働かない頭で回答を導きだす。念のため

髑髏城の七人 season花 を見ました(ウサギノヴィッチ)

 WOWOWに入った。  気まぐれというか、お芝居をたくさん見たいっていう衝動にかられたから。  WOWOWなら、新感線や大人計画やNODA・MAPが見れるからいいかなぁって思ったし、付属して、なんか好きなバンドのライブも見れるんじゃないかなとか思った。そんな高くないし。    んで、入会して一発目のお芝居が新感線『髑髏城の七人 season花』でした。  髑髏城は、再演の頃から見てるし、赤ドクロ青ドクロのDVDBOX持ってて、昔はよく見てた。  最近は、新感線からとんと離れ