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唐草

瑠璃唐草という和名は、
ネモフィラという音よりも沁みる

親指の先ほどの花が群れ広がって咲く様子が
唐草模様の連続して伸び広がるのを想わせた

日本古来、唐草模様には茎や蔦をのばして広がり
おおい尽くしていく植物の生命力にあやかろうとする
願いが込められたという

はるばる古代ギリシアに発し
この東の果てまで伝い広まったとされる

蔦がはびこるより遠く
模様は洋の東西を越えて伸び広がってきた

植物も模様も、風土や文化によって形を変え
多様化しながら互いに影響し
せめぎあいながら広まっていくことのくりかえし

そのせめぎあいが互いを尊重するものであるように
東の果てから唐草模様の勢いを込めて祈る

ネモフィラの意味は、
森の日だまりで自生していることから
「森を愛する」だという
そう知るとネモフィラも沁みる

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