かすかべ湯本温泉があまりにも良かった件
最近引越した家の向かいに、かの有名な松尾芭蕉がおくのほそ道で歩いた日光街道がある。
自宅である草加松原から日光街道を北へ歩けるだけ歩いてみようと思い立った。
日光街道には歴史ある建造物やお寺、一里塚などがあり、趣を感じながら飽きることなく散歩ができる。
2時間半程歩いたところで春日部市にイン。
雨が降ってきたので、温泉にでも入って休憩することにした。
Googleマップで調べたところ、ここから更に1時間弱歩いたところに「かすかべ湯本温泉」という施設があるらしい。日光街道からは逸れてしまうが、今回の散歩はこんなもんで切り上げようと思い、かすかべ湯本温泉へ進路を合わせる。
30分程歩いたところで雨が強くなってきた。
汗と雨で濡れて気持ち悪いし足も限界に近い。
心の中で弱音をリピートしていると♨️マークが書かれた縦長の看板を遠くに発見。あれだ!
看板を見つけてからは急ぎ足で歩き、看板のふもとまで到着。思っていたより大きい施設だ。
非常に広い駐車場の一角に白い屋根とビニールに覆われた出店や外用の椅子とテーブル、小さな野外ステージがある。昨日か今日の昼頃までお祭りが開催されていた様子が窺える。
エントランスから入場してすぐの所にレストラン。館内は外観と打って変わってヨーロッパ風の内装、良い意味で裏切られた感。多少古びた大きめのスーパー銭湯かと思っていたが、改装したてなのか現代風で非常に綺麗だ。自然と気持ちも高揚する。
受付を済ませいざ大浴場へ。
「男」の青い暖簾をくぐって最初に目に付いたのは地下へ続く階段。大浴場は地下なのかと思い案内表示へ目をやると、なんとプールがあるとのこと。どうやら別料金を払わなくても水着さえあればプールに入れるらしい。しかも25mや子供が遊べるプールなどがあり、中々本格的みたいだ。こんな立派なプールが入り放題って、あれ、ここちょっといい温泉宿なの?
そして脱衣所が広い!!
100はゆうに超えるであろうロッカーがあり、洗面台も20席くらいある。そして清潔感が凄い。なんかでかい空気清浄機も置いてある。
まぁ言っても大浴場は大したことないでしょ…と既にめちゃくちゃ膨らんでいる期待を裏切られた時の予防線を張りつつ大浴場のドアを開けると…!
これは…。
広い!!!!!
そして清潔感が凄い!!
浴槽の数も多いし、それぞれが独立していて窮屈さを全く感じさせない。
個人的な感想としては、2万円くらいする温泉宿にありがちなレイアウトの浴室だ。
やっぱりここ、ちょっといい温泉宿じゃない?
40〜41℃で全体的に少しぬるめの浴槽だが、純度100%の掛け流しを売りにしているらしく、アルカリ性単純温泉の茶色いお湯は肌にぬるぬるとまとわりつく。素晴らしい。体から疲れがお湯に溶け出していくのがわかる。
サウナではアロマを焚いていて、今日はグレープフルーツの香りだった。恐らく日替わりか月替わりで異なるようだ。セルフ熱波用のうちわなんかも用意されていて利用客のニーズをよく考えていると思った。あと、サウナも広い。
更に珍しくクールダウン用の岩塩室という部屋があり、水風呂が苦手な人でも整いを楽しめるように設置されているとのこと。
自分は水風呂が好きなので、風呂と風呂の合間にクールダウンとして入ってみたが非常に気持ちが良かった。
頭上から全身に浴びるタイプの水シャワーも設置されていて、水風呂が苦手なサウナ好きへの配慮が抜かりない印象だ。
休憩用の椅子も充実していて、普通の椅子の他に背もたれを倒せるタイプやフルフラットの椅子がそれぞれ3つずつくらい配置されている。
これだけあればサウナ混雑時でも椅子から溢れる人がほとんどいないだろう。
露天風呂は浴槽が1つだが横長で広いので、伸び伸びと入ることができる。
気づけば1時間半。名残惜しいが、のぼせる前にぼちぼち出ることにしよう。
1階の大浴場を後にして館内を散策してみた。
2階にあるのは漫画コーナー、リクライニングスペース、仮眠室、ゲームコーナー、軽食所、喫煙所など。
とにかく広々としていて窮屈さを感じさせないレイアウト。リクライニングの数はもう少し多くてもいいかな?というくらいで他に不満な点は一切ない。1日中のんびりできそうなので、夜に来てしまったのが悔やまれる。
書き忘れていたが、値段は一般的なスーパー銭湯の1.5倍くらい高い。が、たっけぇなと思う気持ちを相殺できるくらいには良かったと思う。値段相応ということだ。
また来ることがあるか分からないので、せめて覚えていたいという気持ちから文字に起こしてみた。埼玉県春日部市にある「かすかべ湯本温泉」、機会があれば是非お立ち寄りください。