ChatGPTと自動運転
こんにちは。株式会社コンシェルジュの太田です。弊社では対話の自動化を司るプラットフォーム「KUZEN（クウゼン）」を自社プロダクトとして開発しています。今回は話題沸騰中のChatGPTに対する考えをお伝えできればと思います。
ChatGPTの登場
この数ヶ月、名前を聞かない日がないくらい急激に盛り上がっているChatGPTですが、対話の自動化をテーマとしている我々にとってはまさにど真ん中ストレートの話で、日々どのような未来があるのかをチームでも議論しています。
我々がKUZENの取り組みを始めたのは2016年、まさにAIチャットボット元年と言われる年でした。これから世の中は対話インターフェースが中心になり、全ての情報は対話インターフェースを中心に回っていく。Facebook MessangerやLINE、SlackやMicrosoft Teamsなど、プライベートから業務まで様々な対話インターフェースのプレイヤーがAPIを開放し、自動化のインフラが整ったタイミングでした。
自然言語処理技術
しかし、残念ながら一つだけテクノロジーの進化が止まっているものがありました。それが自然言語処理技術です。当時は機械学習やDeep Learning技術でAIが劇的に進化し、囲碁や将棋、画像認識や音声認識において人間の能力を凌駕するようになり、とんでもない世の中になったと感じていました。
ただ、自然言語処理分野においては真に大きなブレイクスルーは起こりませんでした。もちろん技術的な進歩は常にありますし、研究開発も積極的に行われているのですが、ビジネスインパクトとして今回のChatGPTほどのビッグニュースはなかった状況でした。
自然言語処理において、画像のように特徴量を抽出するのは非常に難しいと言われています。専門家の方には怒られてしまうかもしれませんが、すごく雑にいうと、例えば猫の画像は誰が見ても、どこで見ても、どの季節でも「猫は猫」です。
でも言葉は違います。「寒い」という発言が、果たして季節が冬だからなのか、ギャグが滑ったからなのか。「やばい」という発言が、いい意味なのか、ネガティブなのか。同じ表現なのに、その場所や使い方など色々な要因によって違う意味を持ってしまう、というのは誰でも頷ける事実ではないでしょうか。この言葉を機械に認識させようとしても非常に厄介な代物であることは容易に想像できるかと思います。
上記の通り、せっかくインフラが整ったのに、この自然言語処理技術のピースが埋まらないことでチャットボットというと賢くない、単なる機械的な返答をするロボットだと思われた方も多かったでしょう。
しかし、Transformer技術がブレイクスルーを生み出し、ChatGPTというプレイヤーが現れたことで新たなイノベーションが起こることは間違いありません。
コンシェルジュ中心の世界観
2017年ごろのスライドを見返すと、当時我々が目指していた世界観としては情報の起点はGoogleではなく、対話インターフェースで全ての情報を取得することができるような未来を見ていました。まさにコンシェルジュサービスが世の中の全ての人に行き渡ることで、もっと便利な世の中になる。この世界観は今も変わらず、株式会社コンシェルジュの名前の由来となっています。
2023年時点でも引き続き情報の起点はGoogleが中心ですが、これからはChatGPT（に限らず他のプレイヤーも対話インターフェースを中心に持ってこようとするはずです）を入り口に、ありとあらゆる情報を取得し、気軽にチャットするようにやり取りすることができるでしょう。まさにコンシェルジュの見ている未来と重なります。
自動運転の進化
また、これは別のテクノロジーに例えると、自動運転車のレベルが上がることと同義だと感じています。自動運転も様々な技術の結晶で成し遂げられるイノベーションだと思いますが、制度設計も含めたインフラが整い、画像認識技術の進化等があり、ようやく実現するものだと思います。
こちらも2017年ごろのスライドですが、自動運転がレベル4-5に達することのハードルが非常に高いように、チャットボットの対話の自動化（人が何も関与せず自動でロボットがやり取りする）も当時は技術的にハードルが高いと感じていました。
しかし、自動運転の技術進化が進むように、対話AIの進化が進むことで自動運転と同じくイノベーションが生まれる素地が整ってきた。このところ、そう感じさせるニュースばかりです。
このレベルを数段上げる技術がようやく我々のビジョンに追いついてきた。そんな感覚を持っています。
今後の展開を考えるだけでもワクワクが止まりません！ぜひこの取り組みをご一緒に盛り上げて頂ける方、ざっくばらんにお話ししましょう！！！
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