ソフトウェア資産分析 ~ メタップス

以前、ソフトウェア資産分析について、マネーフォワードを取り上げた際、赤字の状態であるため、まだ資産計上していないのではないか、というような推測を述べました。

そこで、赤字上場した他の会社はどのような処理をしていたかを少しみてみようかと思います。

メタップスという会社があります。決済やマーケティング事業を展開している他、最近では、『タイムバンクをリリースしたことでちょっとした話題になっていました。

この会社は、2015年8月に上場しましたが、その直前期である2014年8月期は赤字で、進行期も赤字の状況での上場でした。ある意味、マネーフォワードとも似ている形です。

上場時の状況を見るため、最新の有価証券報告書ではなくて、新規上場の有価証券報告書をみて見ることとします。

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このように、ソフトウェア資産が計上されています。

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ソフトウェア増加の内訳として、MetapsやSPIKEといった自社サービス関連のものが挙げられています。(同じく有報の図より)

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広告最適化システムや決済プラットフォームの制作費用を資産計上していることがわかります。

当時は赤字であったが、資産計上した、という点ではマネーフォワードとは異なる処理をしている、ということでしょうか。

現状が赤字でも、近い将来に黒字化する可能性が高かったため、監査法人もそれで問題なしとして認めた、というあたりかと考えられます。(というか、近い将来に黒字化する具体的想定がなければ、そもそも上場審査で落とされるとは思いますが)

会社によって、このような違いが現れることもまたなかなか興味深い点と言えるでしょう。

そのメタップスは、2016年8月期も赤字でしたが、2017年8月期は、上場後初の黒字化となっているようです。ちなみに、この期からIFRSを適用しておりますが、無形資産の計上に関して、日本基準とは特段相違ないようです。

下図は、決算短信の各項目の数値です。

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またこのあたりは、2017年8月期の有報が出たら注記等の詳細がわかるかと思おうので、もしかしたらまた取り上げてみるかもしれません。

次回は、もうひとつ、赤字上場した会社をみてみようかと思います。

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