婚姻編 13回目 ⑰
婚姻の話は、まだまだ続きます。
なにせ、基本となるものが共通していませんので
どこに共通項を見出して「調整」するか?
というのが国際結婚・離婚などの渉外問題の
本質になります。
前回までは、婚姻をする際の条件、婚姻をした後の
問題解決の判断基準の話でした。
国際結婚において「婚姻の成立」に関しては
1、夫婦それぞれの本国法による。
2、婚姻の成立するための方法は、婚姻の挙行地
(婚姻が有効に成立する地)の法による
そして、「結婚生活における問題」の判断基準は、
1、夫婦に共通の本国法があるか?
2、夫婦に常居所の共通法があるか?
3、夫婦に密接に関連する共通の方があるか?
の三つで判断するようになっています。
では、最初の「婚姻の成立」に関して、
それぞれ(Aさん、Bさん)の本国法において
それぞれ(日本法、B本国法)が結婚Okの条件を
クリアした。
結婚できる条件はそれぞれの本国法で判断します。
これを「一方的条件」といいます。
(これは相手には影響しない自分だけが条件にあてはまっているかを考える条件です」
お互いの法律において、
相手側も守らなければいけない条件があった場合、
相手が守ることができない条件だった場合どうするか?
という問題があります。
これを「双方的要件」といいますが、
(自分の本国法の条件を相手も守らなければいけない
条件であり、これが守れない場合は有効に婚姻が
成立しません)
たとえば、
日本人Aさんと、外国籍Bさんが婚姻するに際して
Bさんの本国法では、10歳から結婚が可能だったとします。
しかし、日本の法律では18歳から婚姻が可能であり、
また、日本の公序良俗(簡単に言えば日本における
常識、良識)に反していると判断される場合は、
「公序則」=日本の常識、良識の原則、法則。
において、そのBさんの国の法律を排除することに
なります。
では、これが17歳だったら?17歳6か月だったら?
という微妙な線引きになった場合は、非常に判断が
わかれる部分ではありますが、
「日本の公序則が絶対であり、
公序則にそらなければすべての外国法が排除される」
というものでもありません。
あくまでも日本の「常識」「良識」も含めて考えた場合です。
ここらへんが文化、宗教、人種が異なる国際結婚における
非常に線引きが難しい部分でもあります。
お互いを「理解して」「調整」することが第一目標です。