親子編 34回目 参拾六+α
この「出生」にともなう「嫡出子」「嫡出でない子」
との区分けに関しては、両親の婚姻関係と子供の
問題になります。
では、父親が死亡していた場合は、どうすれば
いいでしょうか?
離婚ではなく、死亡の場合です。
事故や、災害、病気などで、婚姻は成立していたけれど
子供が出生前に死亡していた場合です。
婚姻自体は有効にしたのですが、子供が生まれた時には、
父親が死亡しているわけですから、単純に考えるならば
婚姻状態が保たれていませんから
「嫡出でない子」となります。
しかし、望んでそのような状況になっていないのに
「嫡出でない子」という扱いをするべきなのか?
という問題もあり、法律では
「夫が子の出生前に死亡したときは、その死亡の当時における
夫の本国法を前項の夫の本国法とみなす」
としています。
つまり、
子供の出生前に父親が死亡した場合は、死亡したときの夫の
本国法を基準として、出生した子供が
「嫡出子」か「嫡出でない子」かを判断する。ということです。
ここまでは、「嫡出子との親子関係」に基づいて、
「嫡出子」か、そうではないか、をどう判断するか?
になっています。
嫡出子になれば、法律的な親子関係が認められます。
では、この「嫡出子」ではない場合は、どうやって
親子関係を判断するのでしょう?
それが「嫡出でない子」との親子関係になります、
嫡出子における親子関係は、出生という事実と、
婚姻状態で認められます。
しかし、「嫡出でない子」との親子関係を法律では
「嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の親子関係
については、子の出生当時における父の本国法により、
母との間の親子関係については当時における母の本国法による。
この場合において、この認知による親子関係の成立については、
認知の当時にける子の本国法によれば、その子または、第三者の
承諾または同意がある事が認知の要件である時は、その要件も
備えなければならない」
となります。
長い。長いですね。
一般の人では、この長さであきらめてしまう人もいるでしょう。
この「嫡出でない子」との親子関係は、
・出生という事実で親子関係は認められる場合
・認知という行為によって認められる場合の
2つのパターンが決められています。
これは、婚姻の時と似ています。
そもそも「婚姻」ではない状態で生まれてきた子供との親子関係
を判断する場合は、子供と父親、子供と母親。それぞれで考える
ことになります。
「嫡出子」の場合は、父親母親、どちらの本国法でもいいから
どちらかで「嫡出子」として認められるならば、その子供は
日本では「嫡出子」として認めるとしていました。
変わって、今回は、夫婦それぞれ個別に、子供との関係を
判断していくいくことになります。
これは、婚姻という状態で夫婦のつながりがないために、
その間に生まれた子供とはいえ、法律上は、未婚の人間同士
なので、子供とは一個ずつ判断していくしかない。となります。