親子編 58回目 六拾

「公序則」に関しては、個別的に判断していくと

なっていますが、具体的には、

(東京地判平成3・3・39判時1424号84項)

異教徒間の婚姻を禁止するエジプト法を当該事案に適用する

ことが公序に反するとしてその適用を排除した事例

(東京高判平成12・7・12判時1729号45項)

離婚に伴う財産分与を全く認めない中華民国民法の適用を排除した事例

(東京高判昭和32・11・29下民集8巻11号2200項)

強制認知をゆるさないアメリカ合衆国ミズーリ州の法の適用を排除した事例

(神戸家審平成7・5・10家月47巻12号58項)

養親が縁組することができる養子の数を1名に限定した中華人民共和国の

法の適用を排除し事例

(渉外戸籍実務研究会 渉外戸籍実務の処理 132項)

などがあります。

これらも、その本国では、合法的なものとして認められ、

その法律に基づいて統治が行われていますが、

それを日本の法律において判断する基準として用いることは

適切ではないことから使わないとされている例です。