057 スパイラル推進機構によるロープ昇降ロボットの姿勢制御
【私の研究はこんな感じ】
長年,宇宙エレベータークライマー模型の開発を行ってきており,その技術を活かして地上近傍のインフラ点検・工事などへの応用を想定してロープ昇降ロボットの開発を行ってきている.しかし,ロープ昇降ロボットは風やロープ自体の回転の影響を受けてロープ周りに機体が回転してしまう問題がある.この問題に対して,ジャイロやリアクションホイールを用いた姿勢制御の研究を行ってきたが,発生できる角運動量に限りがあることから,飽和により長時間の連続した姿勢制御は行えないことを確認している.
これに対して,今回スパイラス推進機構を用いたロープ昇降ロボットを開発し,飽和することなく長時間の姿勢制御に成功している.
【こんなことが困っています・こんな相手を求めています】
このスパイラス推進機構を用いたロープ昇降ロボットは,学会などでも高く評価され,表彰もされている.もともとインフラ点検・工事などの支援ロボットとして想定しており,このような産業応用を一緒に実現できる相手がいればと考えている.昇降ロボットの産業応用としては,すでに送電関係企業と架空送電鉄塔に昇降して,工事の際の作業員の安全監視の補助を行うロボットの開発を行ってきており,実用化の段階に進んでいる.スパイラル推進機構によるロープ昇降ロボットもこのように実用化に向けた取り組みができればと思っている.
【私はこんなことができます・こんな協力ができます】
スパイラス推進機構を用いたロープ昇降ロボットの実用化を目指したいが,それ以外でもインフラ点検・工事支援ロボット開発を考えている企業がいれば,協力して新しい機能を持った昇降ロボットを製作することも可能である.上記の鉄塔昇降ロボットもリップ溝型断面のレールを宇宙エレベーターのテザーとみなして開発したものであり,クライマーに対する技術の応用は可能である.クライマー開発においては著者らはテザードバルーンにおけるロープクライマーの世界最高高度記録やベルトクライマーにおける世界最速記録なども持っている.ロボティクスや制御が専門であるので,その方面の協力も可能である.
【コメント・問合せ】
神奈川大学産官学連携推進課 sankangaku-web@kanagawa-u.ac.jp