見出し画像

055 水環境を鑑識する

【私の研究はこんな感じ】
我々が日常生活で使用する化学物質の中には、既存の排水処理技術では十分に処理されず、下水処理場等を経由して水環境へ排出されているものがあります。そのような化学物質の中には、極低濃度でも水生生物の生殖や行動に悪影響を及ぼすものがあります。そこで私の研究では、ヒトと野生生物両方の健康を両立する化学物質利用に向け、都市の水循環におけるこれらの汚染実態の把握を目指した研究を行なっています。また、一部の環境汚染物質の中には、河川水や下水中の濃度や比が、上流の人口や排水の処理レベル、特定疾病の流行状況、病原微生物による汚染状況などの指標となりうるものがあり、これらの指標化についての研究もしています。

【こんなことが困っています・こんな相手を求めています】
私が対象とする微量な環境汚染物質の計測は、質量分析計を用いて行っています。高速で多成分を検出できる質量分析計(LC-MS/MS)と、質量数が小数点以下3桁程度まで測れる高精度の質量分析計(LC-QTof/MS)を用い、多角的に計測しています。が、これらの維持費が・・・。水環境の汚染物質を計測しても、その汚染がある生物にとって何らかの影響があるのか無いのかは分かりません。生物学的に検出濃度を評価できる、またはその毒性の活性等量として評価できるような方を求めています。

【私はこんなことができます・こんな協力ができます】
有機化合物について、特定の分析対象物質を定めたターゲット分析や、そこから派生(分解や代謝)する化学物質のスクリーニング、はたまたまったく未知の化学物質のノンターゲット分析が可能です。また、下水処理で使われる活性汚泥を用いた処理実験なども可能です。例えば新しい物質を合成したけど、下水処理で分解できるのかどうか?分解産物ができていないか?などの確認や、新しい化学物質の分解方法を見つけたけど、どれだけ分解されているのか?途中で分解産物ができていないか?などの化学計測の協力ができるかもしれません。

【コメント・問合せ】 
 
神奈川大学産官学連携推進課  sankangaku-web@kanagawa-u.ac.jp