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035 100℃で液状化する金属ガラス

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【私の研究はこんな感じ】
 金属ガラス(バルクアモルファス合金)は材料固有のガラス遷移温度Tg付近に保温すると過冷却液体状態に遷移して液状化(粘性流動)する性質があります。したがって、もしTgが100℃以下の金属ガラスを作製できれば、沸騰水に浸すだけで液状化する金属材料を実現できます。そこで我々の研究室ではAu-Si17共晶合金をベースとしたAuCuAgSi四元金属ガラス合金の開発を行っています。過冷却液体状態の安定化と、Tgの低温化を目標として成分を最適化したところ、Au65Cu13Ag5Si17合金においてTgが76 ℃、100℃での過冷却液体の潜伏時間が153 sの比較的安定な金属ガラスの作製に成功しました。

【こんなコラボをしたい】
 今後はこの合金を活用した産業応用の開拓と評価を行っていきたいと思います。アイディアなどがあれば積極的にコラボしていきたいと思います。本合金は貴金属であるAuを主成分としているため大きな構造材料というよりも、むしろ希少価値がある小さなパーツ(コイン程度)での応用が期待できるかもしれません…。また電気抵抗、粘性係数の測定でコラボを期待します。

【私はこんなことができます・こんな協力ができます】
・各種金属ガラスの鋳造サンプル(板、棒)を提供できます。
・各種材料の材料学的な構造解析ができます。
・パルスファイバーレーザ加工システムで各種材料の表面処理や加工ができ
 ます。

【コメント・問合せ】
 
神奈川大学研究支援部産官学連携推進課
   sankangaku-web@kanagawa-u.ac.jp