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ユニバーサルデザイン(UD)とは?・電動車いす利用者としてUDの活動をしてきて思うこと

ユニバーサルデザイン(UD)とは?

簡単に言うと、どんな人にとっても利用しやすいデザイン。
商品に対しても使われる言葉だが、建築物の設備等に使われる印象が強い。

実例としては、参考になりそうなサイトを⇓にリンク
https://www.narita-airport.jp/jp/bf/service_info12
https://whill.inc/jp/column/14_universaldesign
http://design-for-all.jp/ja/menu2.html

バリアフリーが、障害のある人にとってのバリア(障害)を排除しようという考え方に対して、
ユニバーサルデザインは、できるだけはじめからバリアのないデザインにしようという考え方。
障害がある人だけでなく、外国籍の人、お年寄り、子どもにも使いやすいものだ。(※ここでは障害者を主な利用者として書く)

7原則:
どんな人でも公平に使えること。
使う上での柔軟性があること。
使い方が簡単で自明であること。(単純で直感的な利用)
必要な情報がすぐに分かること。
簡単なミスが危険につながらないこと。
身体への過度な負担を必要としないこと。
利用のための十分な大きさと空間が確保されていること。

“障害の有無、年齢、性別や国籍にかかわらず、多様な人々が気持よく使えるデザイン”というユニバーサルデザインの考え方は理想的です。

しかし、ユニバーサルデザインを進める活動で、多くの施設・設備を見てきたが、往々にして“どんな人にとっても利用しやすいデザイン”は“どんな人にとっても利用しにくいデザイン”になりかねない。

それは、人によって使いやすいものが違い、ある人の利益とある人の不利益が一致することは珍しくないから。
車イス利用者にとっては段差がない方が良いが、視覚障害者にとってはある程度の段差があった方が位置を判別しやすい。

また、決して使いやすいとは言えない場合も割とよくある。

今まで多くの施設・設備の点検に参加してきた中で、法制度の基準が満たされていても、実際に使用感を確認するとどうも使いづらい、というのは割とよくあることだ。
“段差は解消されているが、長いスロープが何回も折り返す”、“多目的トイレの開閉ボタンが、折りたたみベッドに邪魔される位置にある”などの経験がある。

また、せっかくのユニバーサルデザイン設計でも、“施工者にその意図がわからなかった為に、本来の役割を充分に果たしていない”と推測できるケースも見かける。

その他、多機能トイレの扉が開くと、間違った目的で出てくるカップルに遭遇したこともある。(複数回)
本来は必要としない人(見た目では分からない方もいるので、先入観なくお願いします。)には、安易に使わないようにする等の思いやりというか、最低限の配慮をお願いします。

十数年、ユニバーサルデザインを進めるため、区と区民と協同で行われる施設・設備・設計の点検に参加してきて、実感するのが、当事者目線の重要性。

設計者・施工者は積極的に耳をかたむける機会を設け、障害をもつ人をはじめ実際に利用する人は 意見や考えを自分勝手にではなく将来に役立ててもらう気持ちで発していくことが大切だと思う。

また、当事者でなくても、当事者目線を養うことはできると、僕は考えている。

すべての人が人間として普通の生活ができるよう、ともに暮らし、ともに生きていく社会を目指す“ノーマライゼーション”の考え方を多くの人に認識・理解してもらう普及啓発もまた同じように重要だと信じている。
こういった視点から考えられる人が多くなれば、必然的により良いユニバーサルデザインが広がっていくはず。

また、子供たちへの教育も大切だと思う。将来を担うのは子供たちであり、ノーマライゼーションな社会のカギを握るのも子供たちだ。


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