見出し画像

103万円の壁

所得税の計算をしていると103万円の壁というものが出てきます。

なぜ103万円かというと、所得が48万円以下であれば所得税が課されないからです。

それなら48万円の壁ではと思いますよね。

これが収入と所得の違いです。一般的にアルバイトやパートをしている人は自分の収入金額は額面金額か手取り金額で考えますよね。

所得がいくらかって考える人は会計を専門にしている人にはいてるかもですが、それ以外のひとは考えない人の方が多いのではないかと思います。

では、103万円と48万円の差額55万円は何?ってことになります。

サラリーマンなど給与収入がメインの方は必要経費を認められません。そこで、給与収入の方にもある程度経費を計上してあげようという制度が給与所得控除の制度です。

給与収入が165万円までの人は55万円まで給与所得控除ができます。つまり収入が103万円の人は給与所得控除55万円を引いた48万円が所得金額ということになり、所得税が非課税になるのです。

これが103万円の壁です。

わたしが学生の頃はアルバイトの時給は高くても800円程度でした。ですので103万円の壁を気にすることなくアルバイトができていたと思います。

最近の学生は時給は高いと1,200円とか1,300円とかになります。週3回バイトに入ると103万円を超えてくる可能性が出てきますよね。

例えば、時給1,200円で1日6時間のバイトを週3回入ったとします。年間51週で計算すると、110万円を超えてしまいます。
 1,200円✕6時間✕3回✕51週=1,101,600円

よくパートの方とかが12月に仕事を調整して103万円を超えないようにしますが、時給が高ければ高いほど12月に働けなくなってきますよね。

人手不足のなか、最低賃金を上げて、働く人の賃金アップを促しているのは良いことだとは思います。

ただ、これにより学生を扶養家族にしている親の所得控除(扶養控除)が減少して、親の所得税が増えれば、手取り金額が減って、結果家計が苦しくなるのは目に見えています。

大学生の世代である19~23際の扶養控除は一人当たり63万円と扶養している親が一番恩恵を受ける特定扶養控除になります。なのでできるだけ扶養内で働いてほしいというのが親の気持ちです。

親の所得税率が20%の場合126,000円の所得税が増える可能性があります。
 630,000✕20%=126,000円
住民税と合わせると17万円程度税金が増えることになります。

こうなると親としては103万円以内に押さえてほしいですよね。ここは最低賃金のアップに合わせて103万円の壁も増額してほしいものです。

もしくは学生本人は130万円の収入までは勤労学生控除を利用すると所得税がかからないという制度があるので、特定扶養控除も収入130万円までは摘要できるようにするなどしてほしいです。

最低賃金が上がり、学生アルバイトの時給も上がればこのような理由で、働く学生の総時間が減少するため、さらに人で不足になるのは目に見えています。

学生にとってアルバイトはお金を稼ぐことのほか、社会勉強をするとても良い機会です。学生の本分は学業とはいえ、アルバイトは人生の勉強になります。こういった機会を奪っていることに気づいていただきたいものですね。

子どもが特定扶養控除を外れても、気にならないくらい親が稼げればいいのでしょうが、会社の賃金が上がっても社会保険料が上がり続けているのでなかなか難しいですよね。

とはいえ、後ろ向きなことばかり言ってられません。今は副業する機会もありますし、頑張って可処分所得を増やす工夫はできると思います。前向きにいきましょう。それではまたです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?