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瀬尾まいこ 『おしまいのデート』 読書感想

こんにちは、ジニーです。
今回は瀬尾まいこさん。
なんだか昨年は重たいミステリーを読むことが多かったし、仕事も忙しかったので、合間合間で癒し系の瀬尾さんをよく読んでいました。

■簡単な作品紹介

今回の作品は「おしまいのデート」です。
タイトルの通り、いろんなデートの形をまとめた短編集。

中学3年生の少女と、離婚した両親の父親側のソフトのデートを綴った
表題作である「おしまいのデート」。
不良だった元生徒と教師のデート、「ランクアップ丼」。
同じ学年の二人の男子生徒のデート、「ファーストラブ」。
バツイチのOLと中華料理屋でバイトする学生のデート、「ドッグシェア」。
園児と保育士のエピソード「デートまでの道のり」。

合計で5つの短編ま収録されています。
ちなみに、基本デートのことを書いていますが、最後の「デートまでの道のり」は、そのタイトル通りデートに至るまでのやり取りを面白く、楽しく描かれてます。
(でもまぁ、デートと言えばデートか)

■デートにもいろいろな形がある

デートと聞くと、男女の恋愛を思い浮かべますが、上記の通り年齢差もあれば男同志の話もあります。
本作ではデートはあくまで「登場人物二人の時間」というような扱い方をされています。
最小の登場人物でこれだけいろんな角度からの物語が楽しめるというのは、やはり瀬尾さんの筆力の凄さによるものでしょう。

■瀬尾さんの作品といえば・・・

さて、瀬尾さんの作品と言えばやはり食べ物ですね。
今回もソフトクリーム、玉子丼、手作りお弁当、エビチリなど中華料理、保育園の給食などなど、どれもおいしい食べ物が物語を彩ります。
物語ごとの登場人物に寄り添うように、食べ物があって、僕たちにとっても食べ物は暮らしに密接した物でもあるから物語とのつながりになって、読書の中の一人になったような感じがします。


つながりや、別れ、理解。
春の日差しのような言葉たちが心を柔らかくしていくような本作「おしまいのデート」。
ちょっと心が疲れたな、と感じる時に読んでみるといいかもしれません。

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