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10・2原子力規制委会見

 石破茂新首相による政権がスタートしたがそのもとでの原発政策に関して、原子力規制委員会の山中伸介委員長は2024年10月2日(水)の定例会見で「我々としては中立性、透明性を保ちつつ、基準に適合した原子炉については厳正に技術的審査を続けていく」と述べた。
 また、それらのプラントについては「基準適合が維持されているか審査の中で調べていきます」と付け加えた。
 石破新首相はこれまで基準に適合している原発については再稼働を容認すると発言しているが、原発依存を低減させたいという姿勢については経済界などから警戒感が示されているところ。

燃料デブリ採取のためのカメラの不具合
 東京電力が福島第一原発2号機で始めようとしていた燃料デブリの試験的取り出しが遠隔操作でカメラの画像が映らないトラブルに見舞われた。東電はカメラが高線量下で不具合を起こした可能性に言及した。
 これについて山中委員長は「カメラの不具合について回路上のトラブルを東京電力は考えているようですが、可能性の一つとしてはありうるかなと考えています」と話す。
 「カメラ自体の劣化は考えにくいですが、当然製品によって不具合の可能性もあるかなと思っています」。
 あるメディアでロボット工学の専門家が日本の製造技術において一品ものが不得意だと述べていたことを挙げて、山中委員長は賛同するところがあるとしたうえで「今回のテレスコ式は外でテストすることなく急場しのぎで適用した側面があると思う」という。
 「高線量の場での回線の作動性とかカメラの性能とかをテストすることが今後必要だと思います」。
 外側からの線量測定は東電も実施しているようだが、「中の汚染が本当にどの程度なのか次第によってカメラの取り換え、この作業のこともおそらく変わって来ると思います」と山中委員長。
 「高線量下での作業をするとなると、検査の中で安全上の不具合がないかどうか確認していかないといけないと考えている」。
 福島第一原発1号機から3号機までに推計で880トンのデブリがあるという。放射線量が高いためリスクが高く、リモート式装置を使っての取り出し作業となる。一回で数グラムの採取となり、それらを積み重ねてデブリの性質を分析し、将来の廃炉に向けての第一歩にしたいという。

使用済み核燃料のガラス固化技術について
 青森県六ケ所村の使用済み核燃料の再処理施設で高レベル廃液の処理が出来ずにいることについての質問があり、山中委員長は「3号溶融炉は新しいものだが、まだ動かせない状況だ。マジックハンドが劣化、故障して作業が止まっている」と述べた。
 ガラス固化技術が確立してからでなければ使用済み核燃料の再処理をやるべきでないのではないかとの意見が記者から出たが、「私は必ずしもガラス固化の技術が確立していないとは思っていない」し、また「いろいろな技術がある」と山中委員長は話した。
 

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