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3.19原子力規制委会見

 2024年3月18日(水)に行われた原子力規制委員会の臨時会で、再処理工場で全ての灯りが消えてしまった日本原燃の社長との意見交換を行い、「これからも慎重に取り組んでいただきたい」と要請した。
 2024年3月19日(木)に行われた原子力規制委員会の山中伸介委員長による定例会見で説明された。
 昨年1月、日本原燃の再処理工場で全ての灯りが消えてしまった。問題の施設の電源の給電系統は2つあって、そのうちの1つの電球がすべて切れていた。ここの照明は単に作業エリアを照らすのみならず、査察用カメラの照明としても使用しているから特に問題となった。
 今年3月6日の原子力規制委員会で、石渡明委員は「核兵器を持たない国で原子力の再処理が認められているのは日本だけで、その施設における保障措置によって転用がないことを証明してもらうことは非常に重要」とその深刻さを説明していた。

六ケ所村の施設
 2023年1月28日、原燃再処理工場(青森県六ケ所村)の前処理建屋で、保障措置上の監視対象区域で約2時間、内部照明が全て消えた。
 同3月22日に原子力規制委員会は日本原燃から報告を受けた。しかし内容が不十分だとして突き返し、再提出を求めていた。
 今年2月2日、日本原燃から再び報告書が提出されたところだった。日本原燃には保障措置の大切さと位置づけを社内でどうするのかについて事務方同士で議論してもらったという。
 そのうえで山中委員長は「より組織を強化するとともに・・・安全と核物質防護と保障措置の3つを両立させながら事業を進めていくことについては社員全体に意識改革を進めてほしい」と要請した。

角川映画「人間の証明」
 さらに日本原子力研究開発機構(JAEA)が計画している組織改正について、山中委員長は「今回の組織改正そのものの意図というのがよく分からない」と話した。
 「どういうふうな構造変換されるのか、全く理解できませんでした」。
 「どういう意図で組織改正をするのか。我々の関心事というのは組織全体の構造そのものより、やはりその組織で安全はどうされるのか」とJAEAの説明の不足について注意を促した。
 また、今年3月18日に東京電力は福島第一原発の原子炉容器格納容器内の調査画像を公開した。

1号機の内部映像(東京電力) 
2号機の内部映像(東京電力) 
3号機の内部映像(東京電力)


 「詳細はこれからですが・・・(内部を)見られたということは次に進む第一歩、非常に大きな一歩だったのではないか」と山中委員長。
 福島第一原発の事故から13年。山中委員長は「いろいろなことをこの数年で試しながら、デブリ(溶けた核燃料などが固まったもの)の取り出しの工法も含めて次のステップに進んでいきたいという。
 これまでに遠隔操作のロボット・アームを使ってデブリ成分を採取しようとしてきたが失敗に終わっている。そのため方法を変更しようとしている。
 これまでに3回デブリ取り出しのスケジュールは変更になっている。
 内部には総計880トンものデブリがあると推測されている。しかし、危険を伴うこともあり一回で取り出せるのは耳かき程度だという。
 
 

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