見出し画像

90年にポールが植えた木

 1990年春、ポール・マッカートニーが日本でのソロ初公演のために来日しました。66年のビートルズでの来日以来、再びこの地を訪れてくれるようにとファンは願っていましたが、75年、80年と残念ながら期待は裏切られてきました。しかし、ついにファンの念願がかなったのです。
 75年は法務省がポールの過去のドラッグ所持を問題視。80年は成田空港に到着したものの、大麻所持で現行犯逮捕され、9日間獄中生活を強いられた。当然のこと、ウィングスの日本公演はキャンセルされた。
 待ちに待ったポールの日本公演。東京ドームでのコンサートのオープニングは、89年に出た最新アルバム『フラワーズ・イン・ザ・ダート』からの「フィギュア・オブ・エイト」だった。
 スクリーンにヘフナー・ベースの影が写って、ドラムが鳴り、曲が始まると、ビートルズを追いかけてのおよそ20年の歳月が脳裏を駆け巡り、涙が止まらなかった。アンコールの『アビーロード』メドレーまでの3時間弱を堪能した。前年のリンゴ・スターの日本公演に続く僥倖だった。
 そんな来日中にポールらは東京本郷の本郷小学校(当時は真砂小学校)を訪れて、ザ・ビートルズ・クラブの協力などを得て、ハナミズキを植樹した。当時の同クラブの月刊誌の記事によると、「イエスタデイ」が弦楽で演奏され、ポールを迎えたという。ポールは感動した様子だったという。
 ポールのサインとイラストがあしらわれたプレートも設置されている。事前に学校に連絡しておくと、守衛さんが門を開けて案内してくれると思います。東京におけるポールの足跡をあなたも訪ねてみてはいかがですか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?