見出し画像

特別展「東福寺」に行った!

 


 まさに「オール・アバウト・トウフクジ」。京都五山の一つで古都を代表する禅寺である東福寺のすべてを見ることが出来るといっても過言ではないほどの規格外のスケールの展覧会に行ってきた。
 企画展「東福寺」は2023年5月7日(日)まで東京国立博物館・平成館(東京・上野公園)で開催中だが、最終盤に入っている4月26日(水)に観覧した。雨が降っていたが、けっこうな混み具合だった。
 今回は東福寺初の大規模展覧会だ。朝廷の実力者である九条道家によって、中国で禅を学んだ円爾(えんに)を開山に迎えて創建された。東福寺の「東」は東大寺の「東」、東福寺の「福」は興福寺の「福」と、奈良の二つの寺からそれぞれ有難い文字を頂いている。
 岡根方春(おかね・ほうしゅん)寺務長は言ったー「東福寺の門外不出・未公開の書画その他の文物を含め、禅宗文化財をあまねく紹介する」。
 一番の見ものはやはり伝説の絵仏師・明兆(みんちょう)の手による記念碑的大作「五百羅漢図(ごひゃくらかんず)」だった。カラーで細かいところまで書き込まれている。描かれているキャラクターが、時にはユーモラスに、生き生きと浮かび上がって来るかのようなのが印象に残った。
 巨大伽藍(がらん)を誇る東福寺の全景を描いた「東福寺伽藍図」、本尊の脇をかためる「阿難・迦葉立像(あなん・かしょうりゅうぞう)」、旧本尊の巨大な左手「仏手(ぶっしゅ)」なども見応えがあった。


 後世に「伽藍面(がらんづら)」と称されるほど我が国随一の巨大伽藍を誇り、多くの弟子を育成したという。国の指定を受けている文化財は、本山東福寺・塔頭合わせて国宝7件、重文98件の計105件におよぶ。
 特別展「東福寺」の京都展が2023年10月7日(土)から12月3日(日)まで京都国立博物館にて開かれる。同博物館の栗原祐司(くりはら・ゆうじ)副館長によると、東京展、京都展のチラシはそれぞれの会期の季節から「青紅葉」と「紅葉」の色をイメージしているという。
 東福寺は新緑や紅葉の名所としても有名だ。


 問い合わせは050-5541-8000(ハローダイヤル)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?