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7・17原子力規制委会見

 東京電力が福島第一原発の燃料デブリ(原発事故で溶融した核燃料などが冷えて固まったもの)の大規模取り出しについて3号機を想定して2030年代に始めるとしている点について、原子力規制委員会の山中伸介委員長は2024年7月17日(水)の会見で東電との話し合いには相当時間がかかるだろうとの見通しを示した。
 「まず1年かけてかなり詳細に、慎重に議論を進めたうえで、工法をメインにしてプラスオプションを考えながら進める」計画だと東電から説明があったと山中委員長は話した
 「どういう論点があって、安全確認どういう点が必要なのか意見交換したい」という東電の要望で、それは「現場の職員同士の意見交換と委員会とのキャッチボール」になり、「なかなかそうすぐに結論が出るものではないと思っている。相当な時間がかかると思っている」。
 東電柏崎刈羽原発(新潟県)で周辺防護区域にスマホを持ち込んだ事例が2件あったことについて地元紙の記者から問われて、山中委員長は「防護区域内ではない」し、「東京電力自社でのルール」で決められていることなので、「規制委としてセキュリティ上の問題を問うことない」と話した。
 柏崎刈羽原発で木材チップ建屋で水蒸気が発生したり、火災が起こったりトラブルが相次いでいる。山中委員長はこれを「リスク管理の問題」であり同時に「リスク情報の共有の問題」だとし、「これはもうまさしくマネジメント上の問題」だと述べた。

「悪魔の証明」?
 日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県)の審査について原子力規制委員会は事業者である原電に「悪魔の証明」を求めているという見方がある点について記者から質問があった。
 「論点を絞ってK断層の活動性、連続性、この点について判断しましょうということで、これは社長との約束で進めていることで、特に何か期間を決めてということなく、その論点について結論が出れば何らかの判断するというのが委員会の審査の進め方の方針である」
 「この点については原電自身も理解して作業を進めてもらっている。断層の活動性、連続性について時間がかかっているサイトはあるが、敷地内で事業者がきちんと判断しているところもあるので、特段、「悪魔の証明」であるとは理解していない」と山中委員長。
 産経新聞は2024年7月17日付の紙面で敦賀2号機の審査について「「悪魔の証明」は禁じ手だ 規制委はなぜ幕引きを急ぐのか」と題した「主張」を掲載していた。
 記事は次のように言っていたー「規制委は5月末の審査会合で2号機近くの敷地内の断層について、「活動性を否定することは困難」との判断を示している。間接的な表現だが、当該断層を活断層と断定した宣告だ・・・こんな展開が予見される議論が規制委の審査会合で進んでいる。強引に引導を渡す気か。黙過できない事態である」。

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