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細川護熙 京洛の四季

 第79代総理大臣を務めた細川護熙。1998年、60歳を機に政界を引退した後、作陶や書画、油絵などの創作活動を開始した。近年は奈良・薬師寺慈恩殿「東と西の融合」障壁画や京都・龍安寺「雲龍図」襖絵など、大型障壁画の制作に数多く携わっている。
 東京・銀座の「ポーラ ミュージアム アネックス」(東京都中央区銀座1-7-7POLA銀座ビル3F)にて、2023年10月15日(日)まで展覧会「細川護熙 京洛(けいらく)の四季」が開催中だ。
 本展では、2014年京都・建仁寺塔頭(たっちゅう)正伝水源院へ奉納された「四季山水図襖絵」を展示している。
 「知音(ちいん)」、「渓聲(けいせい)」、「秋氣(しゅうき)」、「聴雪(ちょうせつ)」から成る全24面の襖絵には、京の四季折々の遠景が主に墨でもって、ときに淡い色あいを添えて描かれている。
 細川さん初期の襖絵の外部での公開はおよそ10年ぶりになる。

 《四季山水図「知音」》2013年 墨、顔彩、和紙 建仁寺塔頭正伝永源院蔵
  《四季山水図「渓聲」》2013年 墨、顔彩、和紙 建仁寺塔頭正伝永源院蔵
 《四季山水図「秋氣」》2013年 墨、顔彩、和紙 建仁寺塔頭正伝永源院蔵
《四季山水図「聴雪」》2013年 墨、顔彩、和紙 建仁寺塔頭正伝永源院蔵


 さらには、蓮や花と虫をモチーフに、ここ数年制作を続けている漆絵作品も紹介している。

 《荷花》 2021年 カンヴァス、漆、金、錫(すべて)
(左上から右に)《ドクダミとカノコカ》 2022年 カンヴァスボード、漆、金、錫 《エビネとムカデ》  (同) 《タンポポとアリ》 (同) (中段左より)《カキツバタとハグロトンボ》 (同) 《ユリとアゲハチョウ》 (同) 《イロハモミジとオニヤンマ》 (同) (下段左より)《ツワブキとケラ》 (同) 《ヤツデとカタツムリ》 (同) 《ウラシマソウとウスバカゲロウ》(同)


 細川さんは、自身の感性は「基本的にはこどもの頃に木のぼりをしたり、朝、散歩がてらに日の出を見たり、月を眺めたり、路傍の草花を愛でたり、音楽を聴いたり、鳥の声や虫の姿に興味を抱いたりー。多くはそういうことから育まれてきたのだと思います」という。
 会期中無休。入場無料。午前11時から午後7時まで(入場は午後6時半まで)。問い合わせは050-5541-8600(ハローダイヤル)まで。

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