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原子力規制委2.14会見

 国会などで求められている「実効性のある避難計画がないうちは原発を稼働させるべきではないのでは」との声について、原子力規制委員会の山中伸介委員長は2024年2月14日(水)の定例会見で「稼働させるかどうかは我々が決めることではない」と述べた。
 技術者としての意見を求められたが、山中委員長は「今、原子力規制委員長としての立場でここに立っているので答えられない」とした。
 同日行われた委員会で「屋内退避の期間や原子力施設の状況との関係について議論する検討チームを作る」ことが決まったが、山中委員長は「原子力規制庁から具体的提案を年度内にしてもらって、次年度いっぱい(2025年3月末まで)かけて議論していくことになると思う」と述べた。
 「だいたい1年くらいかかるというイメージ」だが、山中委員長は同時に、年度をまたぐ(2026年4月以降になる)可能性も示唆した。
 検討チームに「自治体関係者に入ってもらい、屋内退避などについてのご意見を頂くことになるだろう。(同チーム内それ以外に原発立地自治体関係者からの)聴取の場を設けることは考えていない」。

能登半島地震からの避難場所


 「一般災害と原子力災害に対する地域防災計画について熟度を上げていってもらい、実効性を上げる中で、(能登半島地震で問題になった屋内退避についての実効性について)修正していってもらう」。
 退避計画の審査に問題があったのではないかとの指摘に対して、山中委員長は「内閣府と自治体のほうで論議しながら進めるという今のやり方で問題があるとは思っていない」と語った。
 防護施設のキャパシティについて新たな考え方が今後原子力防災指針に入るのかどうかについては「地域ごとに実効性あげていってもらう中での問題だと思うが、今回入ってくるかどうかはたぶん地域ごと(で違う)ということで変わってない」だろうと山中委員長。
 能登半島地震の後、多くの家屋が倒壊、道路が寸断され孤立化する集落が発生した。そのため、北陸電力志賀原発での災害そして放射性物質放出の可能性がある地域からの屋内退避自体が困難な状況が生まれた。
 また、東京電力福島第一原発における220億ベクレルの汚染水漏れについて、山中委員長は「いわゆるガスのベント(排出)作業の最中にこういう事象が起きた。原因についてはこれから調べてもらう。来週月曜日(19日)の監視検討委員会で原因を聞き取ることになると思う」と述べた。「そう遠くない時期に原因について(東電から)発表があると思っている」。
 さらに「汚染された土壌はすべて回収したと報告を受けている」と付け加え、事後処理については問題はないと話した。


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