ふわふわに憧れて

数日前から天気予報は雨。

窓の外には傘をさして歩く人。

レインコートにレインブーツを装備して

私は

念願だったパーマをかけてもらうために

予約した美容室に向かった。

今、お世話になっているお店は

職場の人が教えてくれた。

引っ越してきて

ようやく見つけたお店の担当者さんが

急遽、辞めてしまい、

美容室難民になっていた私。

「良かったら」

と１年半前に教えてもらったお店は

内装がシンプルながらお洒落で

ゆったりとした音楽が流れる中

穏やかなスタッフさんが

マンツーマンで対応してくれる。

そして、最後にちょっぴり

ヘアアレンジしてくれるのも

嬉しかったり。

髪の量が多い　×　硬い　×　チョイくせっ毛

で、扱いづらい私の髪。

小さい頃からずーっとショートカット。

大学生になってから

伸ばして、切って・・・を繰り返しているけれど

現在、順調に伸びて

久しぶりに肩甲骨あたりまで到達している。

１ヶ月も経つと

ひょっこり顔をだしてくる白髪を

きれいに染めてもらって

ヘッドマッサージも入った

心地いいシャンプーに

意識を手放す。

寝ぼけた状態で

手際よく巻かれていく髪を見て

サザエさんを思い出し

最後、

しっかりセットしてもらって

鏡に映るは、見慣れない自分。

笑顔を隠し切れず

『これから、しばらくよろしく』と

心の中でつぶやいた。

「ありがとうございました。」

お店を出ると、

もう、傘は必要なかった。

美容師さんの魔法の手で

きれいに整えてもらった帰り道は

いつも、足取りが軽くなる。

今日はさらに

ほわほわの髪が揺れるたびに

なんだかくすぐったい。

きっと彼が見たらびっくりするだろうな。

そんな主人の顔を想像しながら

家路についた。