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単発の小説

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単発の短編小説・ショートショートはこちらにまとめています。
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#短編小説

『本の虫』

 気がつくと部屋中に雪が降り積もったかのような光景。しかしそんな風情のあるものではない。…

17

『同僚の馴れ初め話』

「嫁さんとはどうやって知り合ったの?」  飲み屋のカウンターで、既婚の同僚に何の気もなし…

14

『招いた幸せ』

 初詣の長い列に並んでいると、後ろに並んでいた中年の男が声をかけてきた。 「少しいいです…

15

『特別な公演』

 K氏はここ数日、パソコンの文字カーソルが点滅するのを眺めるだけの日々を送っている。早い…

43

『金持ちジュリエット』

 ジュリエットはその町一番の、金持ちの家の生まれだった。彼女の周りには生まれる前から財、…

15

『アナログバイリンガル』

 最近、娘は謎の独り言を呟く。 「おはようウヨハオ今日は寒いねネイサナシウコッカイカタタ…

20

『違法の冷蔵庫』

「君達にはこの新型冷蔵庫を大阪支社まで運んでもらう。運び方は自由。費用はこちらで負担する。ただし、絶対に中を見ないように」  K氏が冷蔵庫に手をかけると、隣で一人の男が耳打ちした。 「中には入っているのは麻薬だ。俺達は都合よく運び屋をさせられているのさ」  と言って、そいつは冷蔵庫抱えて出て行った。  K氏は冷蔵庫を車に乗せ、高速を走らせたが、先刻の言葉が頭から離れない。 「もし本当なら警察に届けなければ……」  K氏は冷蔵庫の中を開いてしまった。しかし中は空だった。K氏は

『空飛ぶストレート』

 僕の胸に黒い羽が生えてきた。羽は重くて、痛くて、苦しい。僕は取りたくてたまらないのに、…

18

『コロコロ変わる名探偵』

「犯人はお前だ!」  そう言って、探偵はAを指さした。 「え?違う違う」 「犯人はお前だ!…

16

『株式会社リストラ』

 スーツ姿の男は礼儀正しく辞儀すると名刺を差し出した。 「『株式会社リストラ』。まさかう…

15

『しゃべるピアノ』

 児童施設にある古いピアノは生きている。  鍵盤蓋をカタカタと鳴らして、今日も子供たちに…

20

『古団地の鬼』

 これは実話なんですけれど。本当ですよ。少し聞いて下さいよ。すぐに済みますから。  4歳…

35

『運命の出会い』

「あ、すみません」 「こちらこそ、よそ見をしていて……」 「……あれ、何処かでお会いしたこ…

18

『故郷の景色』

「もう一度、故郷の景色が見たい」  そう話す婆ちゃんのため、僕は婆ちゃんの生まれ育った土地の映像を撮影することにした。  婆ちゃんの実家、学校、公園、亡くなった爺ちゃんとデートしたという丘、そこから見た町の景色。様々な婆ちゃんの縁の場所を撮った。  しかし時が経ち過ぎている。当時の面影はほとんど残ってなどいない。これは婆ちゃんの願う『故郷の景色』と言えるだろうか……。 「婆ちゃん、これを見て」  僕は婆ちゃんにヘッドマウントディスプレイを装着させ、VR映像を流した。 「あの