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虹の橋🌈を渡った愛犬くうと私の後悔vol.2


突然の緊急手術宣告

私が病院に到着すろと、一通りの検査が終わっていたのですが、エコー検査でお腹の様子を今一度診ているところでした。

先生1人看護婦さん1人で対応されている、小規模な病院です。

診察室に入ると、くうに命の危険があるのでは不安を感じ顔色の悪い娘と仰向けにされ目を丸くしながら検査中のくうの姿が。

「すいません、遅くなりました」

私は慌てながら入ったわけですが、50代半ばほどの男の先生の第一声に戸惑うことになりました。

「知り合いの病院はどこなんですか?」

聞かれたことの意味が一瞬分からず、はい?と聞き返しました。

「どこの病院の先生が知り合いなんですか?」

「知り合いの病院というか、同僚が勧めてくれた病院があったので」

「知り合いの先生がいるわけじゃないんですね?」

ずいぶん熱心にその質問を繰り返されたので、

(知り合いの先生がいたら何か変わるのか?治療方針や検査方針をそれで変えるつもりなのか?)

入って5分としないうちに、先生に対して不信感を持ってしまうことになりました。

知り合いの先生が居るわけではないと確認を終えた先生は、くうの腸に異物か腫瘍があるので、すぐにでも手術をする必要がある、と説明を始めたのです。

レントゲンの結果、血液検査の結果、エコー検査の結果を次々と見せられた私は、混乱し始めました。

血液検査の結果は、貧血、アルブミン値などの値が非常に低く、明らかにくうに何らかの異常があるのは歴然でした。

腫瘍、異物についてのレントゲンの結果は、素人の私が見てもよく分からず、先生がここに何かあるというのであればそうなんだろう、と。

「明日であれば夕方手術出来ますから」

と、早いスピードで話を進める先生に私はついていくことが出来ず、

「そんなに急に言われても、、」

と、頭が混乱するなかで、まずは手術の内容、金額などを教えてほしい、といったようなことをお伝えしました。

すると、先生は淡々と説明を始めました。

手術内容は、腸の切除手術、子宮に水が溜まっているので状況を見て同時に子宮摘出手術。

入院期間は未定で、金額は30万から50万。

貧血がひどいため、手術途中で輸血がが必要になった場合は自分のところでは対応できない。その心配をするのであれば設備の整っている大学病院を紹介します、と。

そして、今すぐにでも手術をしないと、いつ命を落としてもおかしくない状態です、念を押すように付け加えました。

先生の説明を聞きながら、私の頭の中ではぐるぐると色んな思いが駆け巡っていました。

(検査結果から考えると、何か病気があるのは間違いないだろう、早急に進めなくてはいけないのも間違いないだろう。いきなり高額な手術、命に関わる手術を初めて来た病院に任せていいのだろうか?でも、早く決断しないとくうが死んでしまうかもしれない)

パニック気味の私の雰囲気を察したのか、

「とりあえず予約だけいれといて、明日の昼頃までに決断して電話してもらえれば」

そう言っていただきましたが、来院時に感じた違和感とあまりにも早いスピードで大事な決断を迫られた不信感から、セカンドオピニオンを受けなければ、という気持ちが湧いてきていました。

「明日の朝一番で別の病院に連れていって、そこで同じ診断を受けたら、こちらで手術をお願いするという形でお願いしたいのですが」

先生に正直にお伝えして、明日診てもらう病院へ持参する検査結果の記録を用意してもらいたい旨もお話ししました。

私の父も一年前に咽喉ガンが発見され、治療方針や診断結果についてセカンドオピニオンを行ったのですが、担当の先生の微妙な反応と少し投げやりな対応をされたことを、その時思い出していました。

(別の病院に行きます、と言われるのは気分は良くないものなんだろうな)

先生は、どうぞどうぞと言わんばかりの雰囲気を醸し出しながら、レントゲンの写真やエコーのデータのCDROMを作成してくれました。

なんとなくバツの悪い感じにはなりましたが、大事な決断です。

くうの様子を見る限り、今日明日で旅立つようにも感じることができませんでした。

とりあえず先生にお礼を言い、病院を出ることに。

ちなみに、当初25000円くらいと言われたその日の検査代は、46000円程の支払いを請求されることとなりました。

帰宅後、明日の病院での診断はどうなるだろうか、同じ診断内容であれば早急に手術に踏み切るしかない、そんなことを考えながら、何も状況を飲み込めていないくうの頭を撫でていました。

(お別れなんてしたくないよ、お願いよ)

共に8年間過ごしてきた、同じくチワワのぽんた(8歳でくうと血の繋がりはないが仲良しの弟)といつものように過ごす2人の姿が妙に愛おしく感じてしまう夜でした。

左くう 右ぽんた


このあと驚くほどのスピードで、くうとお別れの日が近づいていることを、この時は全く想像していなかったのです。

                vol.3へつづく






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