わたしはパズルのピース ㊴
「あはは。おねえさん正直だね」
「あ、ごめんなさい。
でも、わたしみたいに地味な色合いのピース
からしたら羨ましいっていうか、、、」
「いいんだよ。気にしないで。
ま、そのせいで目をつけられやすかったり
煙たがられたり嫌なこといろいろあってね…」
「そうだったんだ。。。」
「だから次第になるべく目立たないように
おとなしくするようになってったんだ。
自分を隠すようにしてね。
でも、、、そうしてもやっぱ目立っちゃう。
この派手な色合いのせいでね」
「そうだったんだ。つらかったんね。
本当のあなたはどういうタイプだったの?」
「アハハ!それ聞いちゃう?」
「えっ?わたし変なこと聞いた⁈」
「ううん。私、、、、
見た目どおり目立つこと
ほんとは好きだったんだよねー」
「えっ???そっち?
わたしはてっきり見た目と逆の
控えめなタイプだとばかり思っちゃってた」
「ごめんねー。期待を裏切っちゃって。
だからしんどかった~!
ほんとの自分を出せないストレスでね。
見た目だけで目をつけられやすいのに
中身まで目立つこと好きだと
みんなからもっと目をつけられちゃうから
それを隠すためになるべくおとなしく
しててさ。。。
おかげで少しづつ友達も出来て
平穏な日常が送れるようにはなっていったんだけど..
でも、それって本当の私じゃないわけじゃん。
だからどこかで満たされない思いがずっとあったんだ。
別に誰かに自分を隠すように強要されたわけでもなく
自分が勝手にしてただけなんだけど。
でもね、、、もう限界が来たんだろうね、
ある日突然
私の中からの叫び声のようなものが私を突き動かして
”こんなの私じゃない!
本当の私はもっと目立って
派手なことして楽しみたいだけなんだ。
自分を隠して生きてくなんてもういやだ!やーめた”
ってはじけちゃってね。。。」
「そうだったんだ。。。
周りのピースたちびっくりしたんじゃない?」
「あはは、そりゃもうみんな引いてたよ。
びっくりを通り越してね。
今まで仲良くしてた友達もとうぜん離れていったし。
でもね、寂しいとか悲しいとか
そういうの全然なくて
なんかずっと何かを背負ってたような重い物を
ドン!って投げ捨てたような
何とも言えない爽快感ですっきりしたんだ」
「やっとありのままの自分に戻れたから?」
「そうかもしれない。
その時は何も考えてなかったけど」
「だってずっと自分を隠して生きてきたんだもんね。
そりゃしんどかったよね」
「まあ自分でそれを選んでたんから
仕方ないんだけどね」
「それからどうなったの?」
「うん。私は自由になれたからそりゃもうラクだった。
こんなに開放的になれるんだってね。
もちろん陰口たたかれることも距離を置かれることも
承知の上だったから一人になることは覚悟できてたし。
そんなこと気にしてたら
いつまでたってもありのままの自分に戻れないからさ」
「すごいわ!とても勇気がいることだもの。
ありのままの自分に戻るってことは
それだけの覚悟が必要なのね」
「でもね、
その勇気と覚悟を持てたおかげで
いま、こんなに私らしくいられるんだよ。
ほんとにラクなんだから」
「そうね、ピス。
あなたとても輝いているもの」
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