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言葉の大切さ

このタイトルをくれた人は、同時に「言葉とは何か」を問いかけてきた。

「言葉とは何か」

一番最初に行き着いた答えは「繋ぎ止めたいということ」だった。

やっぱり、この世に生まれてきたから繋ぎ止めたい。

独りきりではふわふわと浮遊して不安定なままになって飲み込まれてしまう自分と、自分が生きる世界を。
そしてこの世に生まれた自分自身に飛び込んでくる景色、もの、愛情、友情、できる限り大切な全てを。

記憶は簡単に薄れてしまう。
ことばが無ければ歴史も残らない。
生まれて名前をつけてもらって人生が始まる。
感謝、愛情、友情、人情。
「情」なんて目に見えないけれど、確かに体の真ん中から湧き上がるそれはあなたに伝えて、私とあなたを結んで繋いでいたい。
目で見た景色、感じた香り、触れた感触。
自分が自分を生きたからこそ得た感覚はことばによって一層立体的になる。一層自分の中に繋ぎ止められていく。

大切なものほど目には見えなくて実態を持たない。
それでも、繋ぎ止めていたい。
この世に生まれてくることができたから。

美しいことばばかりでは無い。
暴力にも凶器にも呪いにもなる。
別れや断ち切ることばだってある。

それは行き場を失った怒りや恨みや憎しみの終着点。
美しいだけが人間では無いから、そうやって結び繋がれる形も当然のものかもしれない。
そして、繋ぎ止めるにもきっと誰だって容量がある。

もちろん人間が形成してきた社会を動かし、生きていくためのよりシンプルな意思疎通や伝達といった役割も大いにあるだろう。
ことばの無い世界はあまりにも不便で生きづらい。

でもやっぱりそれ以上に
自分に飛び込んで入ってくるもの、自分の中から湧き上がるもの全てを
「繋ぎ止めたいということ」

それは単に口から発せられるものだけではない。

それがことばなんじゃないだろうか。

そんなことばの、大切さ。
私はことばを大切にしようとか、しなくちゃいけないとか言うつもりは全くない。

でも今の自分を作り、この場所に立たせているのは確実にこれまで出逢った大切な人たちと、自分自身のことばだということは断言できる。

背中を押された、叱られた、褒められた。
感謝、愛情、友情、人情。
怒り、恨み、別れ。

ことばは自分自身の形も結んで繋いで、強くはっきりとさせていく。

そして、こうやってことばで表現するようになって出逢うことができた人、心の底から幸せを感じられた時間が本当に沢山あった。

だから、私は大切にしていたいと思う。
これまでのことば、そしてこれからのことばを。
繋ぎ止めていたいから。


最後に、このタイトルをくれたあなたの「言葉の大切さ」もいつか聞いてみたい。
沢山考えるきっかけをくれてありがとう。
また、いつか会おうね。

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