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主人公

冴羽遼←憧れる。生まれて間も無く乗っていた飛行機が墜落。かろうじて生き残ったものの、両親死亡の上ゲリラに拾われ戦闘機械に仕立て上げられる。生まれも名前も知らず、文字通り天涯孤独のなか、立て続けに襲う悲劇の運命にも挫けず、軽いキャラの仮面の下に愚直なまでにぶれない愛を隠して生きる男の中の男。その愛は少女から老婆まであらゆる女性の心を解す。軽いキャラを守るために相棒の留守中に急いで筋トレするなど人の見えないところで努力するシャイボーイ。通行人を巻き込まないために自分の掌をクッション替わりに銃を放ち、熱があれば氷を口に含んで仕事に出かけ、悪に堕ち愛する人を殺そうとするかつての育ての親を前に涙を一滴だけ流す、まさにやせ我慢は男の美学。殺人者ではあるが命の重さを深く理解する。同じ殺し屋でも、とりあえず皆殺しの臆病者ゴルゴより1000倍はかっこいい。ゆえに少々のセクハラは赦される。

前田慶次←粋。かぶき者。血筋家柄才能の恩恵と長年の訓練による戦国時代最強クラスの能力を持ちながらもけして驕らず権力に染まらず、他者の弱さや立場を理解し思いやり時に厳しく時に優しく接する。その戦いはまさに鬼神、戦国無双地獄モード。その太刀筋に込められた力とスピードに全てをかけ、朱塗りの槍一本で数万の軍勢に立ち向かう。筋肉バカかと思えば筆や詩歌や礼儀作法、最新の流行である茶の湯や風流に秀でるなど、その体格風貌からは想像もできない繊細な精神を内に秘める。その姿はまさに文武両道。強きをくじき弱きを助ける。金で動かず、義理人情に極めて厚く、友のために命を投げ捨て、己の信念と筋を通し、そのためには天下人を敵に回すことも辞さない。自分の信念の糸に自分の心臓を捧げる、けして真似はできないが間違いなく最高の男の生き様。戦国時代ゆえに生き方があまりにも男前で、北斗の拳と同様の理由で今のご時世ではジャンプには出て来れない。生まれつき虎よりも強いので二枚目。

大魔道士ポップ←努力は才能を凌駕する生き証人。作中では明記されないが、実は物語の最初から最後まで途切れることなく登場している二人の主人公格の一人。うだつの上がらない鍛冶屋の息子家出中という雑魚中の雑魚ポジションから想像もできないほどの成長を遂げ、最初から最後まで勇者を支え続け、時に味方をも欺き、時にはその魂をかけて彼を守り、勇者ゆえの孤独と重圧にくじけそうになる心の支えとなり、呪文の通じない敵の増え始めたと見るや終盤にもかかわらず腕が焼けただれるほどの修行の末にあらゆる存在を問答無用で消し飛ばす史上最強の呪文を身につけ最終決戦に参加。名だたる勇者たちの中で平凡な生まれへのコンプレックスから実力を出せずピンチに陥るが、仲間の助けを得て最終的に賢者クラスに覚醒。最終ダンジョンで仲間が次々に脱落する中、勇者とともに最後まで戦い続け、その知略と呪文で勇者を補佐し、最終的には大魔王の放った極大呪文をこともなげに相殺するほどの成長を遂げる。作中において血筋や才能、道具や伝説の武器に頼らず、己の努力のみで大魔王を唖然とさせたのは彼ただ一人。そこまでなっても最後までけして二枚目にはなり切らないところも読者の共感を呼ぶ。情けない姿から世界最強の魔導師への成長過程が作中全般通じて緻密に描かれ、心の声も最も多く、じつは真の主人公ではないのかとの呼び声が高い。実は主人公格の美女二人に想いを寄せられる作中随一のリア充でもある。最終話の挿絵によれば三人で行方不明の勇者を探し旅をしている模様。本人は地獄かもしれないがテラウラヤマシス。ほんと爆死今すぐ爆死と言いたいが、勇者を守るため自爆呪文で一度本当に爆死しているのでこれ以上死ねとは言えない。壁を殴る音が聞こえる。

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