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所持金4万円で料理研究家をはじめた私が、町工場をM&Aで事業承継した理由

前回は経緯説明しています▼

寝る間なく働いた人生で失った「人生を楽しむ余白」

ソーシャルゲームで膨大な時間を失った後に残る空虚感みたいに、

余白を失った人生は短かった…


遺書みたいな冒頭で失礼しました。

2007年大学4年で所持金4万円から料理研究家をはじめて、8年間必死に働き続けました。

シャカリキに働いて、やればやるほどたくさん仕事をいただきました。

自分を信頼してきた人に応えられるよう頑張り、いつも身の丈を超える試練ばかり。

会社にして事務所を借りて社員を雇うと、ズルズル…お金は減っていく。

うまくいっては失敗して、がむしゃらに「社員を守るために」と働き、スタッフとふたりで年間2000レシピを制作する常軌を逸したブラック労働してたのが20代半ばから30まで…長い道のりでした。

時間をどこかに忘れてしまったような隙間が僕の人生にはあります。

お酒を飲んで楽しんでても、寝てても、24時間仕事の中にいたような感じ。

人生を楽しむ「余白」を失っていました。


いい人生に「余白」が大切

時間に「意味」を求めてきました。

移動の時間を仕事に使ったり、何か意味を見出そうとして疲れてたんかな。

「何もない時間を楽しめる」って幸せだよね。


会社ではマインドフルネスを取り入れました。

毎日30ヶ月続けてます。

業務中に自分と繋がる時間をもつための瞑想ルームをつくりました。

瞑想ルーム、マジで寝れる。スタッフも喜んで使ってくれてます。


この取組みを表す言葉として、妻ゆかりが「くつろぎを大事にしたい」と言ってたので僕も「それだ」と思い【くつろぎ】を我々のテーマにしました。

言葉が腹に落ちてから、視界が新しい方向に拓けてパァーッと輝いた感じ。

会社づくりそのものが「くつろぐ人生」の効果を実験する場になっています。


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とろ生ガトーショコラの紙袋ができました

とろけ具合もいい感じです…!


くつろぎは生産性を高めることを証明できた

くつろぎに全集中した会社に、新卒で入社したスタッフはコロナ禍でアポ獲得も難しい中、新規取引が困難な大手の食品会社と仕事を次々決めました。

ラクに、自分を出せる"くつろげる会社"では社員の成長度もクリエイティビティも個性も発揮できました。

くつろぐ社会が人の能力や才能やその人らしさを引き出し生産性を上げることも証明だ…!

社員は日々を伸び伸びと育ち、経営者の僕もラクでいれます。

経営者がソワソワしてたら、社員の皆もソワソワしちゃうよね。

上司がくつろいでいることが何より部下の職場環境を良くするのだ!


くつろぎを社会に根付かせたい

いいエネルギーで社会を満たすことが、くつろぎを仕事に選んだ背景です。

色々試行錯誤の末、最初は私達らしく食でくつろぎをプレゼントする文化を作ろうよと決めました。

昨年11月から「とろ生ガトーショコラ」を開発しています。

元々は有名なメーカーに依頼する話を進めていたのですが、食品会社のOEMは動くまでに時間がかかりました。

そんな中にコロナで企業が止まり、さらに遅くなると言われて外注を諦めました。

8ヶ月以上も準備してきたのに…実際にはもっと前から事業計画を作って、ロゴを作って2年近く温めてきたプロジェクトだったのです。

ここで頓挫するのは心が折れました。そんなとき…


レシピからじゃなくて「工場からつくれ」

元々Facebookで知り合った工場の経営者の親族の方から、事業承継の話を聞いたのです。すぐに手を挙げました。


リスクは爆上がりするけど、工場からつくるってすごい…

食品メーカーを起業する…

このまま外注に固執しても、緊急事態に止められたら自分らが窮地になる…

食品メーカーが遅いなら、日本一早くて軽い食品メーカーになってやれ…!


かなり高リスクになるけど我々のミッションのために長期的にチャレンジしようって一念発起しました。

困難は想像つきますがワクワクしてしまうのです。


「くつろぐ時間をギフトする」お店をつくるって決めてからこんなに早く身体を張ったチャレンジになるとは、人生は思いもよりません。


「くつろぎを社会に根付かせたい」と願ったばかりに…

願ってしまったばかりに…僕に与えられた使命だったのかなと思います。

長年経営が先細っていた町工場、

突然世界を変えたコロナウイルス、

くつろぎを根付かせる事業へチャレンジのために2年間準備してきたこと、

全部が繋がって事業承継は必然的に決まったような気がします。


これからたくさん未知を経験すると思います。

そんなときも楽しんで波に乗る姿勢を忘れずにいたいと思います。


くつろぎ屋 イガゴー


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