小さなお店の経営者として~個人のプライドと経営

経営者として自覚の乏しい私が、珍しく経営のことを。
ひとりのお店しか経験していないので、その範囲でのお話しです。

開業してもうすぐ1年になる、という同業の方が治療院へいらっしゃいました。

ひとりでお店をされているのですが、まだまだ軌道に乗らずたいへんなのだとのこと。
お話しを伺った私は、その方に対する率直な印象をお話ししたのですが、プライドを傷つけられたのかずいぶん気にされていたようです。

決して個人を攻撃するつもりはなかったのですが、私は自分の真意をあらためてお話しすることを控えました。
雇われている段階ならともかく、独立したら周囲も遠慮して、事細かに真意を話すなどよほど親しい関係でもない限りないでしょうから。

ただ一つだけお伝えしました。
今、最優先でやらなきゃいけないのがお店を軌道に乗せることだとした場合、今回の私の真意などむしろどうでもよいということ。

他人からのアドバイスは善意と悪意のいずれにも解釈できますが、自分の人間性に関わることとして受け止めた場合、それはなかなか変えることが難しいのでどうしてもフットワークが重くなる。
そうこうしている間にお店の資金は尽きていってしまう。

アドバイスは、お店としてどう対応するのかという方向性で考える方が生産的な活用ができます。
個人に関わるところがあったとしても、お店のサービスに対するユーザーの声と受け止める。
そうするとより客観的に見ることができるので、どう行動すればよいのか具体的な対応が見えてきたら速やかに実行する。

そのプロセスで自分の内面も変わることはあるし、変わらなかったら経営が軌道に乗ってからゆっくり取り組めばいい。
これは、人間性をないがしろにするというのでは決してなく、もうスタートを切っており、抜き差しならない状況になっているならということです。

悶々としていたずらに時間を使うことは、大きな損失になります。
損害はわかりやすいのですが、損失はわかりにくく、気づかない間にダメージを受けているからとてもやっかい。

ひとりでお店をやっていると、個人とお店が重なってしまいやすいもの。
確かに完全に切り離すことなどできないのですが、個人としてだけではなく、お店としてどうあるのかを考える視点を持つようにする。
それは経営者として大切、というより当たり前のこと。

でも経営がなかなか軌道に乗らないという場合、個人とお店が混ぜこぜになったままで行動に移せていない、ということが足を引っ張っている場合もあるように思います。

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