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社会的養護のその後

施設から巣立った子どもの生活は、周りが思っているよりも不安定なんです。
こんにちは!くつばこ+のせんです。住宅地の奥にある小さな森を、友だちと一緒に散歩してきました。小川が流れていたり小鳥が鳴いてたりと、すっごく自然を感じました。たまにはこんなのんびりもいいかなと思います。

☆巣立ったその後

社会的養護で育つ子どもたちは、原則18 歳になったら施設や養育里親の元を離れなくてはいけません。施設によっては、大学進学をした子どもは 20 歳まで措置延長が認められたり、自立援助ホームに移って、社会に出る準備ができるところもあります。しかし、大半が 18 歳、高校卒業と同時に、ポンと社会に放り出されます。大学進学を機に、親元を離れて一人暮らしをする人は一定数いると思いますが、それとは訳が違うんです。もちろん一人暮らしも大変だと思うんですが、施設を離れた子の多くが、気軽に頼れる大人がいない状態で、自分で生活費や学費を稼いで、生きていかないといけません。実家でのほほんと暮らしているせんには、到底想像できないほど大変なことだと思います。

☆負のスパイラル

施設や養育里親を離れた後、バックに支えがない子どもたちは不安定な生活になりやすくなります。専門学校や大学に進んだ人は、仕事と勉強を両立しなければいけません。これは心身共に健康であることが前提です。でも、限られた時間の中でやりくりするために睡眠時間を削ったり、食費を減らすためにご飯を抜いたりする生活が続けば、身体を壊すのは時間の問題です。もし病気になれば、治療費がかかりますよね。でも金銭的余裕がないため薬を買ったり病院に行くのを躊躇ってしまい、重症化してしまうケースもあります。そうなると仕事も勉強もできなくなってしまって、薬を買いに行く薬がない状態…と悪循環に陥ってしまうんです。
せんの友だちにも、児童養護施設から大学に進学して、生活費と学費を稼ぎながら学んでいる人がいます。その子はコロナ禍で生活がどうにも立ち行かなくなり、一度大学を辞めて働かざるを得なかったそうです。(今は再受験して、編入生として学び続けています。せんは頭が上がりません。)
彼女のようにもう一度学びの場に戻って来るのは、容易なことではありません。何とかぎりぎりのところで頑張っていた日々を何かに崩されたとき、何の支えもない18歳は簡単にどん底まで落ちてしまいます。

☆「連絡してね」と言うけれど…

施設や里親から離れても、完全に縁が切れるわけではないと思います。「困ったことがあったら連絡してね」と送り出すところが多いはずです。でも、現場の職員や里親が目の前の子どもたちを育てることで精一杯なことは、巣立つ子どもが一番よくわかっています。そうすると、遠慮の気持ちがはたらいてなかなかSOSを出せません。退所した子どもの支援をする専門のスタッフを配置している施設も増えて来ましたが、支援の充実には温度差があります。
ではどうしたら社会的養護から巣立った子どもが安心して生活ができるのか、次回のnoteで考えてみます。

ということで今日は、社会的養護で育った子どものその後についてのnoteでした。養育期間中の課題もまだまだありますが、社会に出てからも様々な壁にぶつかること、多くの人に知ってもらえたらと思います。

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