格上なろう作者のPV数やブクマ数を見ては落ち込む不人気作者へ伝えたいこと
2021 01/05 ちょっとだけ書き直しました。
こんにちは。九灯小膳です。
小説家になろう(ムーンライトノベルズ)で「いい人の中の悪い人。-恋人(カレ)は子どもで天使で悪魔で最強格闘家で-」という小説を書いています。
(カクヨム様にて『ブロイラーマン』も連載中!)
これを読んでいるのはおそらくなろう作者の方々でしょうけれど、あなたにはこんな悪癖がありませんか?
「他の人気なろう作者のブクマ数やアクセス解析を見てそのあまりの人気っぷりに嫉妬で落ち込む」
こんなことしても何にもならないってわかってる! でもやめられない!
今回、そんな人たちへ同じ悪癖を抱えているわたしからちょっとだけ助言をさせてもらいます。
1.自分が自慢にしていることがどれほど低レベルかわかってしまう
遠い昔なら町で一番絵がうまい人がいて、その次が自分なら「二番目だって大したもんだ」と自分を慰めることもできるでしょう。
だけど現代はネットでちょっと検索すれば、その町で一番うまい人なんか国内では最低ランクで、国内トップですら世界ランキングでは大したことないってすぐにわかってしまいます。
インターネットとは自分が自慢にしていることがどれほど低レベルか思い知らされる装置なわけです。
小説家になろうに照らし合わせてみましょう。無名作者がランキングトップを見れば、一日(下手すると一時間単位)のアクセス数が自作品の総アクセス数以上という作者がずらっと並んでいます。
ランキング外の作品であっても「こんなつまんない小説は自作品より下だろ」と思いきや、トラックバックを見たらずっと多くのアクセスがあって、返り討ちにあうなんてこともしばしば。
とにかく目に付く作品全部が自分よりブクマもPVも多くて、自分が最底辺よりさらに下のような気分になってくる……
こんな具合でなろうで小説を書くのやめちゃった人、結構いるんじゃないでしょうか。
2.目に付く作品全部が自分より人気作ばかりなのはなぜ?
ひとつ、小説家になろうは人気作が目に付きやすいシステムになっているということ。ランキングとかのことですね。
これは広告収入が欲しいサイト運営側からしたら当然で、アクセス数を稼いでくれる作品は目立つところに置き、そうでない作品は奥のほうにしまっちゃうわけです。
書籍化・アニメ化された作品だと他メディアでも宣伝されますからイヤでも目に入ってきます。
ふたつめは最初に書いた通り、不人気作品は消されてしまうこと。わたし自身がそうだったように、まったく読者がつかなかった小説を削除する作者は少なくないはずです。
当然、今残っている作品の多くはある程度の人気を勝ち得た作品ばかりになるわけです。
小説家になろうは下にいるほど自分と同列かそれ以下が見えにくく、上のほうはすごくよく見えるというピラミッドなんです。
人気がすべての世界だから当然の話なんですけれど、これは前向きな人ならともかく、後ろ向きの人だと「まわりは全部できるのに自分だけできない」という学校とかであった嫌なことを思い出してしまって非常にキツイです(体育の授業とかね)。
3.どうやったら嫉妬心から逃げられるの?
上記に書いてある不人気作者というのは、もちろん全部わたし自身のことです。
「何でいくら書いても全然人気が出ないの? 小説を書けることだけがわたしの自慢なのに」
一時期こんな感じで完全に行きづまり、何も書けなくなっていました。それから紆余曲折を経てMANHUNTというBL小説を書くことになったんですけれど(このあたりのことはnoteのコラムで書いていますので良かったら読んでみてください)、それに感想をくれた人がいました。あなたの小説が大好きですって。
もちろんすっっっごく嬉しかったですし、同時にはっとさせられました。
この人が読みたがっているのはほかの人気なろう作者じゃない、一日のPV数が100程度のわたしにしか書けない小説だったんだって。
この瞬間わたしは目が覚めました。大事なのはPVなんかじゃなかったんだ……心だ! 読者ひとりひとりの心なんだ! そして次回作が出版しプロデュー! さらに今期アニメ化! 来年ハリウッドで映画化が決まりました!
っていうんならまさに小説的なんですけどね。現実は連載作品のPV数はちっとも増えないし、ほかの人を見ては嫉妬して、思ったように書けなくて……相変わらずその繰り返しです。
それでも前よりちょっとだけ自信が持てるようになったのは、「どんなに駄作でもつまんなくても、わたしの小説はわたしにしか書けない! 絶対に!」と信じているから。
4.――最後に――
創作をする以上……というか人間である以上、嫉妬心からは逃げられません。
それでもわたしにしか書けない物語が必ずあって、それを探している人がどこかに必ずいるって信じてます。その人の中では、きっとわたしが世界で最高の小説家なんです。
わたしと同じように嫉妬に苦しんでいる人へ。わたしと同じようにきっとあなたにしか書けない小説があって、それを探している人がいるはずです。
なろう作者のみんな、ガンバロ!
(小膳)
ほんの5000兆円でいいんです。