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エルデンリングのUIを分析してみる

皆さん、エルデンリング楽しんでますか?
私はめちゃくちゃ楽しんでます。すでに70時間ほどプレイしましたが、尽きることの無いダンジョン、始めて観る敵、新たなロケーションなどなど…未だに私を楽しませる要素が次々と出てきていつまでもやってしまうようなゲームだと思います。ラダーン祭が面白すぎる…

今回のnoteでは、そんなエルデンリングのUIと、それに付随して生まれている「ユーザーの自発性を重んじる」ゲームデザインについて、複数のゲームを交えながら書いていこうと思います。

そもそも、今回のnoteを書こうとした理由は海外のredditに投稿された画像が面白かったからです。

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ごちゃごちゃしすぎているエルデンリングのUI
どうもUBIの開発者がUIが不親切だという点で苦言を呈したらしく、それに対する皮肉として作られた画像らしい…
https://www.reddit.com/r/Eldenring/comments/t7q55h/if_ubisoft_developed_elden_ring/

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こっちが本当のUI

MMOかよ!と言いたくなるようなUIになっていますが、実際このようなUIとなっているゲームは少なくありません。(さすがにここまでではないけど)
では、なぜこのようなUIをしているゲームがあり、逆にエルデンリングはここまで少ないUIでどう成り立っているのか?という点を掘り下げてみたいと思います。

そもそもなぜUIがゴチャゴチャになるのか

そもそもなぜ、ゴチャゴチャしたUIが生まれてしまうのか。
それはひとえに「ゲームの肥大化」が生み出した副産物ではないかと私は考えています。ゲームの要素は年々増えていき、その中にはクエストの量やロケーションも含まれています。そして、人間の覚えられる数は平均して7個ほどと言われており、現代のゲームはこの数を優に超える新たな要素がバンバン出てきます。
そのため、ゲームにはユーザーが迷わないようにするための導き手が必要となっているのです。
なので、ゴチャついたUIを見ても一口にこのUIが悪いとは言えないってことですね。(過度な情報量を画面に載せるのも微妙ですが…)

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Fallout76のUI 
クエストが多すぎて画面の右側がどうしようもなくなる時がある

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ダイイングライト2のUI
クエスト・ロケーションマーカーが多量に出てくる

以上の2つのゲームは、大量のクエスト・ロケーションが含まれているため、マーカーが無いと発見されずに終わってしまう要素が生まれる可能性や、最悪の場合メインストーリーを見失ってしまう可能性があるため、多少マーカーが多いのは仕方がないことだと思います。
しかし、このマーカーが存在することにより、プレイヤーは能動的ではなく受動的にクエストを受けることとなり、自らが選んだ経験という実感や、実際に自分の意思で探索をした。という感覚が希薄になってしまう恐れもあります。
また、戦闘においてもUIによってプレイヤーのサポートが行われて、緊張感が薄れるパターンも存在します。しかし、適切にカウンターができることによって初心者でも無双感が生まれ、敵をバッタバッタと倒していける爽快感のあるプレイ体験に繋がっているので、要は使いどころかな…という感じもします。

バットマンとスパイダーマンの戦闘は良く似ていて、攻撃を行いつつ敵に注意を配り、敵が攻撃してくる前の点滅を確認したら、それに合わせてカウンターを繰り出すスタイルです。
ユーザーはモブに対して圧勝するヒーローを動かしたいので、これはユーザーの求めているものにバッチリ合致している戦闘UIの例でもあります。
(緊張感は多少薄れますが…)

つまり、UIがが多いことによってゲームを最大限楽しむことができますが、場合によっては個人としてのゲームの体験が損なわれてしまう可能性もあるということですね。ここのバランス感覚は本当に難しいと思います。

エルデンリングのUIが生み出す効果とは?

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エルデンリングは先ほど紹介したゲームに比べるとかなり簡素なUIで成り立っており、クエストマーカーもロケーションの目印も存在しませんし、戦闘中のアシスト的なUIも存在しません。では、エルデンリングのUIによって生まれている効果はどのようなものになるのでしょうか。
私は「ユーザーが世界に対して広い目を持つように誘導している」「戦闘におけるプレイヤーの成長を促している」という二点が根本にあると考えています。つまりはユーザーが自発的に進んでいくことを尊重しているわけですね。

そもそも、ソウルシリーズは探索と戦闘のゲームです。
怪しいところがあれば壁を叩き、未知なるボスに対し死にながら学習していくゲームです。
エルデンリングでも、その要素はゲームデザインの根本に存在しています。
そのため、ミニマップを画面上に配置してダンジョンへの誘導を行ったり、戦闘中にカウンターへのアシストを行ったり…ということ自体がソウルシリーズというゲームに合っていないということですね。
怪しいところがあればそこまで出向いて、何かが存在するか確認して、何も見つからなければ次の怪しい場所へ向かい、ダンジョンを見つければ強力なボスとのヒリつく戦いを行い…これらはUIによって誘導されていた場合は得られない興奮と体験になるはずです。
しかし、これらはただUIをシンプルにすれば得られる体験か?と言われればそうではなく、ソウルシリーズの戦闘のノウハウの積み重ねや、細部まで作りこまれた無駄のないマップだったからこそ行えたゲームデザインだと言えます。
また、プレイヤーが本筋を無視してゲームを進めていても、いつでもメインストーリーに戻れるのも良い点だと思います。
探索する楽しみを最大限まで引き出すようなロケーションを大量に用意しつつ、本筋からは外れないようにするというゲームデザインはなかなかできないことだと思います。

似たようなゲームだとゼルダの伝説BOTWが挙げられます。
あのゲームも、プレイヤーが自主的に気になるところを探索するようなデザインとなっていて、なおかつそこを探索するかは個人の裁量に委ねられている点が素晴らしいと思いました。

ということで、今回のnoteはこのあたりで終わりとなります。
ブレワイについても多少掘り下げたかった気持ちはありますが、なにぶん忙しいのでまた次の機会に行いたいですね…
エルデンリングはマジでめちゃくちゃ面白いので、ぜひ皆さんやってみてくださいね!!それでは👋

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