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住んでた街とか。

異人たちとの夏に影響されて子供の頃住んでた家の跡地に行ってみた。何年かに一回ふらっと歩いてみるんだけど、行く度に少しずつ変わってるなと思って見てる。夜に歩いたのは何年ぶりだろう。

子供の頃はあの寿司屋のせがれって目で見られてたけど、今はもう知る人もいないな。

家の裏の竹藪。この駐車場も子供の頃はもっと広かった気がしたけど、今は狭い。

家の前の道路

電灯の位置が変わってるのかな。
2階の部屋に電灯の光が差し込んでていつも外が少し明るかった。ベランダからは裏の竹藪が見えて風が強い日は竹藪が揺れて雰囲気出てて怖かった。

ベランダは少し広くてたまに片付けて寝転がってドラクエのハードカバーの小説読んだり、音楽聴いたりしてたな。物多かったからすぐ寝転がれなくなったけど。

少し歩いた所にある小さな公園。ここは多分全然変わらない。奥にある家が昔うちでバイトしてたお兄さんの家で一度だけ遊び行った記憶がある。

さらに少し歩いて円光寺。今は亡き織田無道のお寺。出前で親父が顔見知りだったから、姉が一時期ファンでその話したら小さい水晶玉貰ってた。あれもあの家に置いてきてしまったのかな。

ここから少し歩くと友達の家が何軒かある。会う事ないだろうけど今会ったらどんな顔するかな。想像つかないな。

さらに歩いた先にあった本屋。閉店になってしまっていた。前回来た時中入っておけば良かった。漫画や小説や雑誌買ってたなぁ。子供の頃は顔覚えられてた。

駅を見下ろす線路をまたぐ坂から。
駅は少し綺麗になってるけどまあまあ変わらない。

右に見えるのは交番で。

最後に家を出た日の事覚えててまだ寒い3月に母が急に深夜に家出るって言い始めて、この交番まで歩いた。でも結構な時間待ったけどお巡りさん帰って来なくて。よく考えたらお巡りさんが帰ってきたところでやる事なんか何もないのに。

寒い中、一駅分の逆方向の警察署まで歩いたな。その警察署のソファーで一晩寝かせてもらったの覚えてる。それでその警察署には14年後に親父の遺体を確認しに来るんだけどさ。

神社。お祭りが開催されると屋台が並ぶ。子供の頃は広く感じたけど今は狭い。友達と夜まで遊んでて怒られたな。近くに友達の家があったけど無くなってたのは建て替えかなぁ。

境内に座って少し休憩した。

虫の声が聞こえたけど涙がこぼれる静かな夜だった。

子供の頃あの坂を何度行き来しただろうと思うけど、この街に住まなくなってから何十年と時間が過ぎ、その記録もそこで止まってる。

ある日の夜、なんの覚悟もないまま不意に出てった町で、何も消化出来ずここまで来てしまったけど、そろそろ仕舞ってもいいのかもしれないなぁ。

あの映画のように親父には会えなかったけど、確かにあなたと俺はそこにいた。

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