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【対談記事】テディさん:僕たちの描く、音楽のこれから①

kusuguru代表の二上(写真左)と10年以上付き合いのある、ミュージシャン兼(株)エルブリード代表取締役のテディさん(写真右)。kusuguruの活動に、強いシンパシーを感じてくれています。

第一弾となる今回は、二人の出会いのきっかけや、お互いの音楽活動を通して感じている課題や今後の展望についてお話しさせていただきました。

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お互いの「音楽」をきっかけに

二上:僕たちが初めて出会ってから、もう何年経つのか・・・10年は経ってますよね。

テディ:経ったねえ。

二上:テディさんが主催している音楽イベントに出させてもらったのが最初だった記憶がありますが、そのきっかけがどんなだったかはあまり覚えていないというのが正直なところ(笑)

テディ:僕も正直ファーストコンタクトのことはあまり覚えていないかも・・(笑)

二上:でも、その音楽イベント『テディパーティー(通称:テディパ)』のことはよく覚えていて。僕のやっているアコースティックユニット『COCOA』として呼んでいただき、ジャンル問わず、たくさんのアーティストの方々が出演していましたよね。通常の音楽イベントと比べると、粒揃いなイベントというイメージがあったんです。あれが確か初めてお会いした時ですよね!

テディ:そうだったねえ。

二上:そもそも、テディさんが『テディパ』を始めたきっかけは何だったんですか?

テディ:僕自身、4歳の頃からずっとドラムをやっていて、スタジオミュージシャンになりたいと思っていたんですよね。そして、多くのサポートをさせていただく中で感じたことは、僕はドラム演奏以外何一つできないということでした。

二上:と言いますと・・・?

テディ:ただ楽器演奏のサポートをするだけでなく、楽曲のアレンジができる、曲をかくことができる、というような演奏プラスアルファのことができる人がたくさんいたんです。その中で、僕は何もできない。それでも、何か表現活動をやっていきたいという思いは抱えていて。そんなときに誘われて行ったのが、友だち主催の音楽イベントでした。

二上:なるほど。

テディ:それが、なんと、本当につまらなかった。

ふたり:爆笑

テディ:「これは一体何を見せられているのか」というくらい面白くなかった。

二上:(笑)

テディ:本当に。これなら、自分が企画してやった方が面白いものができるのでは、そう考えたんですよね。そして最初に行ったのが、ライブパーティーという位置付けのイベントでした。

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音楽の経済的な現実に直面

二上:いざ、イベントを企画するとなったときに、「こんなイベントにしたい!」というのはありましたか?

テディ:プロ/アマチュア問わずみんなが一緒に楽しめるようなイベントにしたいな、と思っていましたね。お酒もご飯も提供して、バッキバキのプロのセッションもあれば初めて楽器を触ったような人も混ぜたコピーバンド大会なども取り入れて、自分が思っていた音楽の魅力を最大限伝えられる企画にしました。ジャズ系のミュージシャンがキューティハニーを滅茶苦茶カッコ良くアレンジして女子大生が歌ったりとかも(笑)


二上:それがスタートだったんですね・・・!僕たちが『テディパ』に出演させてもらいはじめた頃は、定期パーティーになってからでしたが、最初は不定期だったのですか?

テディ:定期的に行うようになったのは、2年目くらいからですね。

二上:何か、きっかけがあったのでしょうか?

テディ:今でも人生で一番好きなシンガーソングライターの方が、音楽活動をやめることになったんですよね。正直、すごくショックだったんです。もう、この人の新曲を楽しみに待つことができないんだ、って。それも、経済的な理由が強かった・・・。

二上:うわぁ、それはめちゃくちゃ心が痛いですね・・・。

テディ:それまでは、自分の音楽活動を通して何か思いが伝わればそれで良い、利益なんて二の次だ、と思っていたのですが、それだけでは自分は何も救えない。そう思い知らされました。知識・お金・力がないとダメなんだ、と。そこからですね、イベントをビジネスベースに考えるようになっていきました。出てくれるバンド・アーティストはどうやったらファンが増えるのか、CDやグッズが売れるのか、自分はどんな協力をすればいいのか、そして自分も対価を得てイベントとして利益を出していけるのか。イベントの本数を増やして、定期的に開催するようにしたきっかけですね。

二上:だからこそ、一出演者として外から見ている僕からも、イベント主催のテディさんの力は偉大だなと思っています。

テディ:最初にマネジメントをすることになる「空想委員会」というアーティストは、活動に携わり始めた頃、レコ発ライブで動員人数5名とかでしたね。イベントの中で培ってきた知識やアイディアが彼等の活動をサポートする上で凄く役に立ちました。


二上:そこから始まって、日比谷の野音でワンマンやれるぐらいの規模になるまでマネジメントしてきたことは、本当にすごいことだと思います。さすがテディさん・・・!

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表現者である自分にしかできないこと

二上:正直、僕もずっと怖かったんです。シンガーソングライターとして続けていく中で、周りがどんどん辞めていく。アーティストとして尊敬している仲間たちが、金銭的な理由を含め、様々な理由で辞めていくんです。これって、辞めない方法はないのかな?というのをすごく考えていました。

テディ:うん、すごくわかります。

二上:僕は、色々なご縁があって、運よく音楽活動を続けられています。でも、そういう”運ゲー”じゃない、何かが必要だと思うんです。アーティスト発信でも良いかもしれない。社会的な動きとして、アーティストにとって選択肢のあるシステムが出来上がっていけば面白いんじゃないだろうか、って。

テディ:同じようなことを考えていたんだよね。

二上:だから、テディさんとお話しして考えを知れて、すごく嬉しかったんです!自分以外にもそんな風に考えている人がいるんだという事実が、ものすごく嬉しかった。

テディ:ね。ただ、実際に音楽業界に携わっていると、やっぱりアーティストにお金が入る仕組みがまだまだ全然整っていないとを実感しますね。

二上:はい。

テディ:でもやっぱり、僕自身がプレイヤーだったから、プレイヤーとしての不満をしっかりと理解した上で、裏方をやる。プレイヤー兼裏方という特殊なパターンだからこそできることって、きっとあると思っています。

二上:そうなんですよね。僕、テディさんの「(ドラム)叩く社長」という肩書きが好きなんです。kusuguruの活動を通して色々な仕組みづくりをしていく中で決めていることが、経営者専業にならないということ。僕自身が表現者であり続けていないと、僕がkusuguruをやっている意味がないと思っています。

テディ:やってないとわからないことって、絶対にある。

二上:自分自身がアーティストだから、作り手や表現者の気持ちがわかる。そんな僕だからこそやる意味が絶対にあるはずなんです。

テディ:やっぱり、他の誰でもなく自分にしかできないことをやっているというのは、モチベーションになりますよね。

(その②へ続く

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次回は、二人が表現者として目指すべき方向や、音楽のこれからについてお話しします。お楽しみに!

ー対談相手のご紹介ー

大井勇 / テディ
Drums / Management / Lable / Agent / Eventer

幼少時、お祭りの和太鼓に興味を持ち、4歳からドラムを始める。
12歳より、川口伸王氏に師事。
20歳の頃よりサポートやREC、セッションなどの仕事をするようになる。
独特な奏法、個性的なサウンドメイク、グルーヴを確立。

ドラム3台のエンターテインメントショー『Groove Addiction』を坂東慧(T-SQUARE)、今村慎太郎と共に開催。
小さなカフェライブから、ROCK IN JAPAN FESTIVAL、SUMMER SONIC等の野外フェス、幕張メッセ、日本武道館、大阪城ホールといった大会場まで幅広く経験。

また2013年9月、株式会社エルブリードを起業。
2011年~2019年、アマチュア時代から活動を支えた『空想委員会』のサポートドラム、インディーズレーベル、マネジメントも兼任。
数々の大型ロックフェスに出演し、中野サンプラザ、日比谷野外音楽堂、Zepp DiverCityなどでワンマンライブを開催。
アニメ「遊☆戯☆王ARC-V」ED 映画「燐寸少女 マッチショウジョ」主題歌のWタイアップも担当した。

2016年より、広島県福山市のロックバンド『CRAZY VODKA TONIC』のマネジメントも行い
約2年間、ミュージシャン・バンドとして育成。
2018年3月に初の全国流通盤をリリースし、タワレコメン&CDショップ大賞2019 中国ブロック賞を受賞。
オリコンインディーズチャート10位、USENインディーズチャートでは年間1位を獲得。
イナズマロックフェスをはじめ、各地のフェス・サーキットイベントにも出演している。
2019年9月4日、最新作『DARUMA』をリリースし、10月12日には渋谷クラブクアトロにてワンマンライブを開催する。

2019年からはエージェントとして、ミオヤマザキをはじめ複数のアーティストの活動のサポートを部分的に請け負い、スケールアップに貢献している。

その他、個人イベンターとして『TEDDY-PARTY.net』を主宰し、ライブハウスやショッピングモールでのイベント開催を最大で年間150本開催。
ポップス・ロックだけでなく、アコースティック、ジャズやファンク、R&Bでの対バンイベント等幅広いジャンルのイベントを行なった。
イベントでのラジオ番組も約2年間レギュラー放送を持つ等、様々な角度から音楽の仕事に携わった知識・経験を持つ。


■Drums playing with
空想委員会、phatmans after school、磯貝サイモン、TIA、鮎川麻弥、大柴広己、MALLET X PIT、vivid undress・・・etc。

■Management
空想委員会(2011~2019.4)
CRAZY VODKA TONIC(2016.4~)

■Lable
空想委員会(2012.9~2014.1)
CRAZY VODKA TONIC(2016.4~)

■Agent
ミオヤマザキ(2019.2~)

■SNS
・Instagram:@dr_teddy_0304
・Twitter:@dr_teddy

■CRAZY VODKA TONIC

リリィ Music Video

アタドに告ぐ Music Video


■空想委員会

名前を呼んでくれ Live Video

波動砲ガールフレンド Music Video


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