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[一語一会の種 #6] Hybrid Warfare

Hybrid Warfare: ハイブリッド戦争.「ハイブリッド」は自動車などでおなじみの言葉だったからだろうか,横文字がそのままになって訳されている.
Wikipediaで恐縮だが,英語版は割と信頼できる記事も多いので以下に最初の文を引用・拙訳しておく.

Hybrid warfare is a theory of military strategy, first proposed by Frank Hoffman, which employs political warfare and blends conventional warfare, irregular warfare, and cyberwarfare with other influencing methods, such as fake news, diplomacy, lawfare and foreign electoral intervention.

Wikipedia | Hybrid warfare

ハイブリッド戦争は軍事戦略の理論の一つで,フランク・ホフマンが2007年の著作で最初に提案・発表した.それは,政治的紛争の形をとり,従来通りの戦争や,特殊戦,サイバー領域での戦争に,他の影響力のある方法を組み合わせたものだ.その方法には例えば,フェイクニュースや,外交手腕,法的紛争そして他国の選挙への介入などがある.


現代の戦争は,そういった複雑な戦争であると言われてきた.
2月に始まったロシア・ウクライナ戦争においても,非常に従来的な戦争に加えて,特にサイバー空間での争いというものが熾烈なものとなっているようだ.

中国もサイバー大国だ.北朝鮮もサイバー空間での攻撃能力を十分持っている可能性が高い.

そしてもう一つの問題は,自民党の平代議士がよくおっしゃっているが,サイバー空間において「専守防衛」とはどういうことかということだ.
日夜絶えずサイバー攻撃は行われているし,現在全く物理的な戦争をしそうにない状態に見えても,サイバー空間では戦いが行われているということがある.そう,サイバー空間では戦争状態とそうでない状態の区別はもはや曖昧なのだ.

こちらから攻撃せずには,やられる一方なのだ.今後ますますそうなるということは容易に想像がつく.だから,サイバー空間は物理的現実と分けて防衛を考えていく必要が出てきているということなのだ.

もちろんそれ以外にも,フェイクニュースやSNSを用いた扇動や選挙介入などは,市民を武器化するような戦争になりかねないことであるし,インターネット時代,ハイブリッド戦争が各国のアジェンダであることはほぼ間違いないのではないだろうか.そして,そこに知らず知らずのうちに私たちが参加していることも.

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