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[一語一会 #35] カンピロバクター

カンピロバクターによる食中毒は近年また増えているらしい(少なくとも大局的に見て).
チャレンジャーが多いのか,めんどくさがりが多いのか,単純に知識がない人が多いのか,それら以外かまでは申し訳ないが調べていないし,わからない.

ただ,個人的には,高校生になっても毎年食中毒に気をつけましょうという趣旨の手紙が行政からきていたような気がするし,たまに家のポストに入っている行政報的なものの中にも定期的にそのような記事が設けられているという記憶がある.

75℃1分間以上の加熱で,肉に含まれる病原体が死滅するということが言われている.もちろんその熱がきちんと病原体にリーチしていれば,ということではあるから,75℃1分間焼いて,中身に生の部分が残っていたら,多少は死滅しているかもしれないが,あまり意味がないということだ.

そのような注意が普段から必要であるし,まぁそもそもさすがの私でも(?),生で肉を食べる勇気はない.

そう,ムンバイ近郊とは言えインドに6週間滞在していて,私はおなかを壊さなかったのだ.たぶん一生自慢話になるだろうと勝手に思っていたりもするのだが,もちろんこれを成すことができたのは,ある程度衛生的な注意を張っていた結果ということでもある.
そこで気を付けていたのは,主に水だ.水道水を飲むことが危険であることは間違いないので,それはもちろんだが,例えば(個人的にはあまり見かけなかったが)生野菜を食べないようにすることや,最初の方はストリートフードを避けるようにもした.

ただ,しばらく経ってからは歯を磨くのくらいには水道水を使っていたし,公共の水飲み場で水を飲んだこともあったし,食べ物はなんならストリートフードの方にはまってしまったのだが,それでもおなかは壊さなかった.(でも次に行ったらたぶん壊すのだろう.)

リスク要素は少し見極めると実は直感とは少し違う部分もあって,完璧主義・潔癖主義的に日々のルーチンを規定しがちな人もいるところだと思うが,ちょっと見直してみると暮らしが少し楽になるのかもしれないなと思ったりもしたわけだ(ただし,体質的に本当にだめな人もいるだろうので,その判断はお任せするところだ).

しかし,生肉は違う.もちろんそのような潔癖主義的な人で食べる方はいないと思うのだが,私にとっても100%危険だから手を出さないのだ.原因(病原体)があれば自分の健康が負ける可能性がかなり高いのだ.自分ではギリギリを攻めることもしない.

原因とそれが発現する確率,そして発現したときのインパクトを把握することが,基本である.その比較をしっかりして,判断をすることが,いわゆる合理的な判断と言えるのではないだろうか.(新型コロナに限らず)ワクチンに関する考え方もそうだし,ここまで述べてきた日々の食事の問題も本来はそうだ(そして個人的にはあまり納得がいっていないが,災害についてもそうだろう).

その点では,カンピロバクターさんにはもう少し役割を果たしてもらうことが必要なのかもしれない.もちろん,食中毒以外の側面で.

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