餓鬼の忍耐 #1

自分を大人だと思ってる餓鬼ほど怖いものはないなんていいますが。

まだ東京が江戸と申しました時分に、八百屋を営むじゅうべゑという男が居った。
こいつがまあ厄介なやつで自分が損をするからと言って何でも言えばいいと思ってやがる。
口を開けば文句ばっか口ばっかな野郎だ。

厄介なやつは一人でもお腹いっぱいだ。

そう、もう一人厄介なやつが居やがる。
そいつは同じ八百屋で働く、りゅうって男だ。
こいつはじゅうべゑとは対照的で文句は何一つ言わない。ただ言われた事だけやればいいと思ってやがる。
さすれば、こちらとしては文句を言われる筋合いはねえんだってそう言うのである。
一つ屋根の下で働く者としては無能な野郎だ。

この二人の相性が最悪なのである。

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