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全宅ツイ不動産チンパンジー情報 第59号

【特集】これを読めば怖くない!みんなの裁判

全宅ツイのグル(以下、グル):今回の全チンのテーマは「裁判」。不動産キャリア20年近いんだけど、正直者の不動産屋さんの僕はほんまに一度も訴状とか裁判所とかの実物を見たことがないので、今回は我らが全宅ツイ顧問弁護士の北センセとセブンイレブンぐらい気軽に裁判所に行ってるテツクルさんにお越しいただいております。
教皇ノースライム(以下、ノース):ノースライムこと弁護士の北周士です。Twitterで戯れていたら、気が付くと全宅ツイの顧問弁護士になっていました。よろしくお願いいたします。

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テツクル一昨年は証言台に8回立ちました、テツクルです。よろしくお願いいたします。
ノース:8回w
テツクル:定期券買おうかと思いましたw
グル:wwww あれって初めてでもアワアワしないもんなんですか?
テツクル:最初は気絶しそうなくらい緊張しました
グル:やっぱり
テツクル:弁護士からもらった台本何十回も音読しました
グル:やっぱり練習するんですね。でも今はセブンでキリマンジャロブレンドアイスLください!ぐらいの感覚で…。北センセも初めての法廷立った時、めちゃくちゃ緊張したんですか?
ノース:そうですねー。弁護士になって3日でいきなり「一人で裁判所行ってこい」だったので結構緊張したと思います
テツクル:wwww
グル:しゅごい。不動産屋さんよりOJTwwww
ノース:放置系の所長だったので…。3か月後にはひとりで尋問でした。
グル:鍛えられるwwww
テツクル:頼もしすぎませんかw
ノース:古い事務所って割とそんな感じだったんですよね。弁護士になったからにはいきなりひとりでできるだろうと。今は流行りません。そんなことしたら辞められちゃいますし、クオリティも標準化できませんしね

・弁護士によって違う尋問のスタイル

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(引用:https://akatsuka-law.jp/column/witness-examination.html

グル:先生によって尋問のスタイルって違うものなんですか
ノース:証言してくれる人の回答まで決めておくスタイルの人と、回答は決めないスタイルの人に大きく分かれますね。尋問は弁護士の個性が出ます
グル:ほ~
テツクル:ぼくがお願いしている先生は基本的に全部回答決めますね
ノース:回答までちゃんと決めておくスタイルの先生もかなりいらっしゃると思います
テツクル:なのでトンチンカンな回答をしてしまって、終わってからブツブツ言われることもありました…
ノース:私は覚えてもらうことはしないで、望む回答が自然に出るように質問の方を変えていくスタイルです。練習ももちろんしますが、どのような質問をしたらどのような回答が自然に出るかの確認ですね。どちらも一長一短あると思います。本番は緊張しますし
グル:あかん、聞いてるだけで緊張してきたwwwww やっぱり本番でアワアワするひともいるんすか?
ノース:幸い自分のクライアントで何にも答えられないみたいな人はいなかったですが、パニックになっちゃう人はいます。ただ答えまでぶっ飛んでしまう人ってあんまりいないですよ。頭真っ白になっても答えられるようにしておくのが準備なので
グル:手元にカンペとかはあかんのですか?
ノース:ダメですね。記憶だけで答える必要があります。
グル:大学生の試験みたいに手のひらにびっしり書いときたいwww
テツクル:裁判官の方を向いて答えなきゃいけないんですよね
グル:手のひらにびっしり書いといても読めないwwww
テツクル:ずっと裁判官と目が合うので照れたりして
ノース:横から話しかけられて裁判官の方に回答するのむずいんですよねw
テツクル:そうなんです。むずいww
ノース:あれは割と弁護士の立ち位置で何とかなると思ってます。私は自分の依頼者に質問する際にはなるべく裁判官の方に寄った位置に立ちます。私の方を見てくれればなんとなく裁判官を向いているような感じになるように。(裁判官の方を向くのは)録音の関係ですしね
テツクル:北先生の気遣い優しい。うちの先生、全然気を使ってくれてないんだな…
グル:www
ノース:そこも弁護士のスタイルなのでw あと尋問技術的なものが盛んになったのはここ10年ちょいくらいなんですよね。世代間ギャップあると思います。
グル:むかしはそこまで重要視されていなかった?
ノース:重視はされていたんですが、理論がなかったんですよw
グル:なるほど~
ノース:なので各弁護士がそれこそ経験でやっていて。刑事弁護ですけど、海外の尋問技術の本が翻訳されるようになったのが2000年くらいからなんで
テツクル:おもしろい!
グル:意外~。ずっとまえに体系化されてそうやのに。
ノース:アメリカなどでは体系化されてました。陪審員の国は尋問技術論が発展しやすいんです。いわば素人さんに分かりやすくやらないといけないので
グル:そうか~。そういうことなんですね。
ノース:日本でも裁判員が始まる!と言って輸入されるようになったのが始まりですね。その尋問技術論が民事にも浸透していった感じです
テツクル:そうかー。素人のひとでもわかるように…

・気になる訴訟費用。「訴えてやる!」でコスト倒れも?

グル:さて、裁判というシステム全体に関してなんですが、「法的には勝ってるから裁判したれ」みたいなイメージが一般にあるとは思うんです。例えば、こういう感じのですね。

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