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全宅ツイ不動産チンパンジー情報 第131号

峰:今回は不動産仲介最前線。全チンでは「不動産仲介はつらいよ」というギャグ特集が定期的に組まれていますが、今回は真面目に最近の買主さんのトレンドを追っていきたいと思います!

峰不二夫(以下、峰):買主さんの要望が多すぎて10円ハゲどころか、子供の手のひらくらいハゲた峰です。みんなの投げ銭でAGA治療に専念したいです。
短髪豚野郎(以下、豚野郎):都内新宿を中心に売買仲介、仕入などをやっています。不動産業界歴はかれこれ20年です。借地と底地の違いを最近知りました。
無職ちゃん(以下、無職):大手仲介で働いています。実家が宅建番号7番の立ち退き権利調整屋さんなのに、実家に帰っても無職として全然生きていけないタイプの自称ピチピチ女子です。次に風吹いたら実家潰れます。


【特集】コロナ前後でマーケットはどう変わったか


無職:峰さんハゲちゃったんですか

※クリックでモザイク取れるけど注意

豚野郎:ガチなやつ!
無職:全然10円どころじゃなくて泣いちゃった…。
豚野郎:僕も新人の頃上司に激詰めされて10円ハゲできました
無職:今日10円ハゲプレゼンツなの…?
峰:無職ちゃんはハゲたことないの?
無職:あるかぁ! かわいそうなので抜け毛ドネーションしてあげたい
峰:繊細なんですよ! そんな繊細すぎるせいで日々買主様の要望に苦心しております。さて今回は、買主のトレンドというテーマなのですが、豚さんは以前、大手仲介にお勤めでしたが、その頃は買主ちゃんと追客してました?
豚野郎:あまり追客してなかったですね。客付け専門業者には勝てなかったですし、基本的には専任物件の反響のお客様だけ。意欲の高い方のみ追客していくイメージでした
峰:「媒介持ってれば勝手に数字になる。売主を殺せ!とにかく殺せ!」ってスタンスの会社ですもんねw
豚野郎:ですねw 物元からの両手狙いが基本軸ですね
無職:そ、それで数字作れるんだ…。すごい。
豚野郎:案内3回いってだめならもうその客追うなとか言われてましたw
峰:うはーw 3回でリリースするんだ
豚野郎:客付け業者さんほんとすごいと思います
無職:私は新卒の時にオープンルームで来場したお客様を1年半追って契約してました。エリア的に他社の分譲が強いエリアでしかやったことないので、羨ましいしかない
峰:めちゃえらい。1年超えると気がついたら新築買ってたとかありますよね。それで契約まで持っていけるのはなかなか
豚野郎:確かに。追客してた人がふらっと他の物件買ったりするので心何度も折れましたね
峰:「あなたが物件探していた1年半の間に周辺坪単価は50万円値上がりしましたけど、どんな気分?」って決済の時に聞きたいですね
豚野郎:「そこを押しきれなかったあなたの負けです」って言われたらなんも言えないので、僕は言いませんw
無職:www

峰:最近、自社物件の販売をしている中で、お客さんのトレンドが変わってきたのかなっていうことを感じてます。お二人は営業していてどうですか? 
豚野郎:以前よりも知識ある人が多いなーという感じはしますね。情報過多の時代なので、YouTubeとかで変な知識つけてる人は多いですよね。新築戸建の場合だと、エアコンとか床暖房とか全館空調とか付いてて当然だと思ってる。予算とエリアよく考えてくれよって思います
無職:確かに知識ありげな人が多いですね。私の担当エリアはエリサーが多いエリアなので、本当に面倒です
峰:確かに無職ちゃんが言うように、エリアによっても買主さんの雰囲気って変わりますよね
豚野郎:知識ある人はもちろんいましたが、わがままな人が多かった印象はないですね
峰:無職ちゃんはそもそもいつから営業してましたっけ
無職:コロナの緊急事態宣言明けてから配属された感じですね。右も左も分からない中、売りも買いもまだ止まってました
峰:おー、じゃあコロナ以前、っていうのはあんまり知らない感じなんですね
無職:コロナ以前はどうでしたか?
峰:東日本レインズのデータをもとに、コロナ前から現在までの首都圏マーケットを振り返ってみましょうか。これが2019年6月の中古マンション、中古戸建ての成約状況です。コロナは2019年12月から騒がれ出したので、その半年前ですね。

峰:成約件数、価格ともに前年同月を上回っていますね。
豚野郎:「オリンピックが終わったら下がるだろ?」と言われていた頃でしたっけ?
峰:そうです。「これから不動産は暴落する!」って言いながらもやっぱり全然下がっていなかったころですw
無職:誰だよ下がるって言ったやつ
峰:この頃、私は都内、埼玉、千葉、全域さわっていたんですが、今ほど売り手市場ってこともなかった。買主さんも希望エリアは決まっていて、予算も大体把握しているって方がほとんどだったように思えます
無職:売り手市場じゃないなんて…
豚野郎:確かにそうですね。価格は高くなっていたけど買主側も文句言わずに買うってイメージでした。今の人がわがままと言っているわけではございません
峰:ww 5年前と今を比べても仕方がないんですが、5年前ってそこまで若い人が家を購入していなかったような気がするんですがどうですか? 無職ちゃんの近くで20代で家購入した人とかいました?
無職:同級生がオープンハウスで戸建買ってました。なんで相談してくれなかったんだろう…
峰:オープンか。でも今売ったら利益出るから!
豚野郎:オープンの戸建て、去年やりましたが、築浅でも普通にプラスで売れましたね
無職:接道ゴミの神奈川私鉄の僻地なんだけど大丈夫なのかな
豚野郎:すみません神奈川はわからないですw でもその頃、後輩が独身なのに新築マンション買ってて、なんで1人なのに3LDK買ってんだよってツッコんでましたが、彼が正解でした。ごめんなさい
峰:結局あの頃買っていた人たちって”正解”だったんですよね
無職:今は、若い方は投資目的で買う方が多いイメージですが、もうさすがに付いて来れてない印象です。コロナ前はどうだったんでしょうか
峰:コロナよりもう少し前は「なんちゃって住宅ローン」でたくさんの若い方が星になっていました
豚野郎:業者に騙されちゃって、住宅ローン組んでないのに投資用持っててローンがダメだった人はいましたね。それは昔も今も変わらず有り得る事だと思いますが
峰:どう見ても2,000万円の物件を3,200万円で交わされる26歳。誰が住んでいるのかも把握していない26歳
豚野郎:資産はあるのに毎月手出しがある26歳
無職:素敵なお話ですね。胸が熱くなります
豚野郎:そういう人って変に属性いいからローンも組めちゃうんですよね
峰:まあいつの時代もありましたけど、流石にコロナ禍はその手の話少なかったように思えますw

・コロナ禍でもマンションは値上がり続けていた

峰:さっきのデータにコロナ禍(2020年)の時期を並べてみましょう。ちょうど緊急事態宣言が出たのが2020年の5月なので、その翌月ということになりますね

無職:マンションはコロナ禍でも価格が上がっているんですね
豚野郎:でも成約は大きく落ち込んでる。さすがに動かないですよねw ほんとにニーズの強い人だけ買ってたイメージです
無職:戸建てはダダ下がりなんですね。何でなんでしょう
豚野郎:売主も「今売らないとやばい」って危機感持って値下げに応じやすくなってた側面があるかもしれないですね。価格の下落は。リモートとか流行りだしてみんなふわふわしてましたからね
峰:リモート需要なのか、戸建よりマンション(平面)を探しているひとのほうが多かったイメージがあります。価格は上がっているけど成約件数がめちゃくちゃ減っていたイメージです。売り物件も少なくて、レインズ開いてもいつもおんなじ顔ぶれなの
無職:たしかに2020年から2021年夏頃が1番在庫が少なかったですね
峰:とはいえ全体的にめちゃくちゃ動きがなかったか? って言われればそうでもなくて、買っていた人はちゃんと買っていたんですよね
豚野郎:そうですね。ほんとに売りたい人、買いたい人は動いてました。当たり前の話ですね
峰:あの頃は売主さんも立ち会い嫌がるし、買主さんも見たいけど見に行けないし、って状況で、わりと「考えるな、買え」ってマインドが働いていたように思えます
豚野郎:真夏にマスクしてた時間返してほしい。
峰:死ぬほど暑かった。売主さんとポストで鍵の受け渡ししていたの懐かしい
無職:未知のウイルスが蔓延している中で購入していた人はどういう動機が多かったんでしょうか?
豚野郎:やっぱり結婚、離婚、出産、相続なんかはいつの時代もしっかり動きますね!
峰:私の顧客はリモートが始まって「賃貸じゃ狭い。でも引っ越すのもだるい。広さ求めて購入するか」って人とか、コロナ禍で結婚式あげられないから頭金が結構あるみたいな方とかいました
豚野郎:あー、結婚式もできなかったですもんね。「10人以上集まったらダメ!」みたいな
峰:消費も落ち込んでいたのでお金のいく先がなくなっていたって感じがします
無職:なるほど、お金が住宅に回っていたんですね。だからだんだんテレワーク需要などと一緒に売り手市場になって行ったんでしょうか
豚野郎:どうでもいい話ですが、「ブライダルに転職します!」って会社辞めようとした後輩が、コロナになって辞めるのやめてました。でその後辞めました
峰:結局やめてるやんけ
無職:何回色んなこと辞めるんだろう…
豚野郎:辞めるの伸びただけでしたね
峰:御社からブライダルって無理があるだろ。「しようよ!結婚しようよ!」みたいな攻め方なのかな。「まずは見積もり最高値からスタートしましょう!」みたいな
無職:一括査定と同じやり方じゃん
峰:この頃って、集まるな、騒ぐな、出社するな!が続いて、結局「じゃあ都心じゃなくてもいいじゃん」が始まって郊外戸建が爆売れし始めたんですよね
豚野郎:建売にテレワークルーム作ったりしましたよ。ただの納戸ですけど、デスクとか照明とかコンセント付けて
峰:そうそうw 玄関入ってすぐ手洗いとかめちゃくちゃ需要あった
豚野郎:テレワークルーム、旦那さんの寝室になってないといいな
峰:リチャホさんの悪口はだめだよ

無職:玄関手洗いクソ懐かしい
峰:「家を買う」っていうより「安全を買う」みたいな感じで、コロナ禍でどう安全に生活するかってことをみんな考えていた感じですね
豚野郎:そうですね。トイレ1個で怒られた事ありました。コロナに感染したら家で生活できないだろって。いや、狭小地なんよ
無職:でも面白いくらいに家での生活に一斉にみんな視線が向いた時代でしたね
峰:日本人って根っからのマイナス思考なんだろうな
豚野郎:メディアも煽ってましたからね。あの頃は
峰:いかに家の中で楽しく過ごせるか、みたいなのばかりでしたね
豚野郎:プロジェクター付けたマンションとかもやりましたね(笑)
峰:施工するとき、天井にあらかじめプロジェクター用の下地入れてるの面白いな
無職:今まだみんな使ってるのかな…
豚野郎:アラジンのプロジェクターですね。壁1面に映せるように。使ってくれてるかは不明です。
峰:不明なんだ
峰:コロナ前は必要に応じて購入が進み、コロナ初期~中期は安全を買うためにみんな家を探していた感じですかね
峰:ホスクリーンよりプロジェクター!
豚野郎:はい!

・考えるな、買え!は真理だった

峰:ではここで一気に飛んでコロナ以降、2023年7月のサマリーです。

峰:なんでだよ
豚野郎:マンションはずっと上がってるんですよね
峰:2020年の平米単価が53万円だったのに2023年は73万円ってなんでだよ。たった3年で平米単価20万円上昇っておかしいだろ
豚野郎:首都圏はやばいですよね
無職:こないだまで坪450万だったマンションを坪680万で査定しました
豚野郎:わかる。理解が追いつかないですよね。査定してて不安になる。でも出せば売れる。あれ?みたいな
豚野郎:いつの時代も正解なのは、考えるな!買え!ですね。㎡70万てことは坪単価200万円アップですからね。僕新卒の頃の平成築のマンションの坪単価ですよ
峰:最新の数字も載せときましょう

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