ブルアカ二次創作における独自性について煩悶してたという日記的なやつ

 ブルーアーカイブは漂う氷山のようなもので、青春の物語という巨大な塊と、水面下の練り込まれた構造を両方楽しめる、実に面白いコンテンツだと感じています。
 しかし、だからこそ二次創作においては「答えの出ていない問に対し、どのような結論に至るか」という問題があります。
 考察における解釈は、ひとつの結論に至るわけではありません。
 つまり二次創作における解釈とは、十中八九結論として出すには難がある、わけですが……
 行動の基となる理屈は確固たるものでなければ、そのあと不安定すぎて大変です。困りましたね。
 そういうわけで、ここから書くのはそういう個人的なあれこれです。

問題の例として

 ブルーアーカイブの二次創作においてがっつり原作改変や独自展開を行うならば、と考えた際に出てくるテーマの一つに、アリウス分校生徒の救済があります。これは非常に難しい問題です。
 原作においてアリウス自治区の話題は滅多にあがりません。ですからほぼほぼ自ら筋道を立てる必要があるのですが……
 問題がいくつもあります。
 まずアリウス自治区のインフラ、食料や水などの必需品、都市規模と維持に必要な人員の数など、一切不明です。
 次にアリウス分校の生徒をどのようにすれば救済といえるのか、という点も不明です。
 最後にアリウス自治区のキヴォトスにおける行政への組み込み方が不明です。どれも難しすぎる話題です。

アリウス分校の生徒に対する救済についての推論

 基本的人権の尊重など、理論的なことを挙げだすとややこしいので、ひとまず実例を出します。
 健康的な生活習慣と生活環境を導入し、キヴォトスという外部環境に進出しても生活可能となるだけの技術および知識を教育し、社会的な交流を行えるだけのコミュニティの形成を援助して維持可能とすること。
 ぱっとみた感じはいいですね。ですが詳細を深掘りすると大変です。

 まずアリウス分校の生徒たちはベアトリーチェに戦力としての教育をされるまで、国際標準教育分類(ISCED)におけるレベル1、「音声による読み書き、数学、および他教科の基本的な理解」に至っていたかすら不明です。
 次に戦力として教育された後ですが、サオリ絆スト的にキヴォトス社会における契約書を理解可能なだけの文章読解ができていないことは確かなので……

 社会における外的刺激に対する耐性がついていないことが非常に問題です。たとえば食や生活の質の急激な変化など、快楽を知らないがゆえにそれに対して脆弱極まります。
 ギャンブルなどへの中毒化対策はもちろん、危険なコミュニティと距離を取る方法も教えなければなりませんね。

 これらは表に出さないとしても、裏の設定に連ねておかなければ後々困ります。これらの程度によってアリウス分校の生徒がどのようにキヴォトスで振舞うかが変わってくるからです。

 下手をうつと、スマホに触れたばかりの幼児のように未知の刺激に対して耽溺するあまり廃人と化したり、放り込まれたコミュニティで孤立して灰色の日々を送るようになったりして……

 要は段階的な社会に対する慣らしが必要なので、教育課程に基づくスケジュールの調整が必要なのです。

そういう理屈を通した末に至るさらなる問題

 原作にない要素すぎる。
 さすがに一から十まで説明することはないとしてもです。ブルーアーカイブは生徒たちの物語であり、先生含めた大人は基本的に舞台装置です。そういう根底に基づく雰囲気が作中内にはあります。
 つまり「それブルーアーカイブじゃなくていいよね」、あるいは「説明解説多すぎで実際なにやってるんだこれ」などといった感覚が途中で生まれかねない……
 作中設定を借りているだけで、ブルアカの全体的雰囲気に対するリスペクトが足りないのではないか、とか……
 そもそも作品としての鑑賞性に欠けるのではないか、とか……
 作者自らが省みたとき、納得がいかないと判断してしまう要素が続出してきます。つらい。

それなら、そういうところ見せなければいいのでは?

 そうですよね、生徒が青春している姿を見れれば、それだけで幸せですものね……
 ではどのように動かすのか。
 ひとまず原作を参考に行動規則を咀嚼して……
 そうそうこんなかんじの……
 生徒がわちゃわちゃして、終わり!……あれ?

物語の流れが誘導できない

 生徒の動きが制限されるので、物語上必要な位置にもっていくと、違和感がすごい……
 そこをどうにかすると、オチなどがしょぼしょぼとして……
 途中まではいいけれど、どうも描き切ることが難しい!
 苦しみにうなだれました。

独自性について改めて考える

 解決方法は簡単です。作者が全体を顧みつつ生徒の動きを調整して、「原作遵守ではないけれど原作風のかんじ」を保てばいい。
 解釈の多様性を信じるほかない……それがひとまずの答えではないでしょうか。どうでしょう……

そして終わりにした

 ひとまず疲れたので、私は考えることをやめました。どうなんでしょうね、十人十色の答えが出るとも思います。それ自体が答えになりそうです。

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