考え方ががらりと変わる

大学四回生。いや五回生か。2000年12月。

卒論もそろそろ提出に近い秋、倫理学の教授と仲良くなった。教授の南阿蘇の自宅をその講義が面白いからとすすめてくれた友達と訪れて飲んで色んな話をした。

学生は参加無料のセミナーのチラシをもらったけど忘れてたら、友達が「あのセミナー行かんの?」というのでアルバイトもたまたま無い日だから足を運ぶ。

雰囲気は怪しげなマルチ商売のセミナーだったが、まあ市民ボランティアのセミナーってあんなもんだろう。

頭をぶち抜かれたような衝撃だった。

高木善之さん。NPO法人ネットワーク『地球村』の設立者。

その日はたまたま普通の環境セミナーじゃなく、ハーフデーセミナーと言ってテーマが2つある日だった。

地球温暖化から、オゾン層破壊から、食糧問題、ダイオキシン、エネルギー問題、核の問題をユーモアたっぷりに、でも身近で近未来の問題をたっぷり聞かされた。

あまりに衝撃だったので翌日か翌々日に八代市であったセミナーにも参加した。

就職はメーカーに決まり、海外で勤務することになっていた。同じ研究室の仲の良い中国人留学生が紹介してくれた日本人が社長の香港の会社で、福建省だか四川省だかの工場で日本人社員としてオーディオ機器のコードやイヤホンなどサプライを製造する会社。電気屋に行けば使いなれたコードなどだったので、その会社に行く予定だったが、20世紀の終わりに先人たちが築き上げ、その恩恵を謳歌した団塊ジュニアの私に21世紀の宿題が押し付けられていることと、「知らなかったらほっとけたけど、知ってしまったら無視できないよね」とこのまま就職するかどうかを突き付けられた。

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