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だから、ぼくはヒーローになれない episode 12 -「PR業界なんて無くなればいい」と本気で考えているPRパーソンの話

こんにちは、イイジマケンジ|kushamiです。

”PRパーソン”と名乗ってこうやって記事を書いているんだけど、”PRパーソン”という言葉は実はそんなに好きじゃない。

PRパーソンという言葉は元々好きだった。
広告”マン”という男性社会ノリ、広告代理店で働いている男性以外の人達のことをなんと呼ぶのかといった言い方とは対照的に、”パーソン”という男性でも女性でもそれ以外でも使えるワーディングにしていることが、常に社会の視点が見えている感じが好きなのだ。(この考え方はもともと好きだ)

なぜいまになって”PRパーソン”という言い方が好きじゃないのか、それには理由は3つほどある。

1.PRパーソンじゃない人に名乗っても伝わらないから
2.他人と違ったことやってそうなマウントとってる感じがするから
3.そもそもPR業界なんて無くなればいいと本気で考えているから

1と2はそのまま受け取っていただきたいのだけど、今日話をしたいのはこれ。「そもそもPR業界なんて無くなればいい」と思うPRパーソンの話

PR Tableの大堀航さんから教えてもらったこと

2014年、僕は新卒で入社した富士通を退職することを決め、「PRって最近よく聞くし、PRの業界入ってみようかな~~」と”超なんとなく”な理由でPR業界について調べていた。
そのとき、ちょうど富士通の同期の中でも一番仲良い奴(今でも最高なんだな)から大堀航さんを紹介された。

僕がPR(Public Relations)の世界に足を踏み入れ、PRのことを心底好きになるきっかけをつくってくれたのは、まぎれもなく大堀航さんの言葉が原点にあった。

「PRっていうのは、常に誰にでも開かれているんだよね」

6年前、渋谷の桜丘町にあったカフェで、当時レアジョブに在籍していた航さんにPR業界に入ることを相談しにいったときの日のことを覚えている。あの日の桜丘町のカフェは再開発でいまは更地になっている。

プレスリリースとか、なんとなくPRパーソンしか書けないと思われているけど実はそうじゃない。それは単純に手法であって、コツをつかめばある程度は書けるようになるからさして重要じゃないんだよ。

PRっていうのは思想なんだ。

PRって誰にでも備えているべきものだし、これからの時代、一番大切な考え方になると確信してる。

当時は「へぇ~」としか思っていなかったけれど、5年以上PRのことについて考え続けてきて、やっと理解できた気がする。

個人にも、企業にも、テクノロジーにも、PRは必要

PRを本当に理解しているのは100人中2,3人もいないだろう。いや、もっと少ない。ほとんどの人が「PR」は”アピール”だと考えている。僕もそうだった。

PRとは、思想であり、手法であり、姿勢である。
PRって本当に面白いし、エッセンシャルなものであると考えている。
誰しもが持っている、持つべきだと信じている。

誰だってPRパーソンになれるのだ。いや、なるべきなのだ。
そして、企業や団体などあらゆるビジネスシーンで必要である。どんなにテクノロジーに特化した企業であっても、そのテクノロジーが社会に必要とされるものでなかったら、それは無意味である。
テクノロジーにももはや”社会との関係性”が重要になっている。

PRの本質は”やさしさ”

PRの本質は「やさしさ」だと思う。
プロダクトが生活者に気に入ってもらえるか?街を活性化させるためには?よりよい社会を構築するためには?世界を驚かせるためには?
すべては”社会との関係づくり”に帰結する

だからこそ、PR発想のプロダクト・サービス開発、空間づくり、組織運営、マーケティングは、これからさらにが重要になってくる。そして、その未来はすぐそこまで来ている。

新型コロナによる変化のなかで、社会は個人の集まりで形成されていること、個人は社会なしでは生きていけないことが示された。
それにより、PRは「社会との関係づくり」という本来の意味としてやっと戻ってきたのだ。

PRは業界の枠を超えていく

本題に戻るが、PR業界の世界にいすぎると、PRを商品として使うことが多くなり、本来のPRが持つべき意味を自分たちで勝手に枠をつくってしまう感じがする。「ここまでがPR」「ここからは営業の仕事」みたいな、ね。
目の前の仕事に線を引くこと、役割分担を明確にすることは、業務や取引を円滑にするためには必要であるのだけど、PRはあくまでも「社会との関係づくり」であるから役割によって縛られるべきではない。

だからこそ、PR業界というものはなくなり、すべての個人、団体、企業、社会が「言語や文化、知識と同じように持つべきもの」として浸透されてほしい。教育の必修科目としてPRをいれてほしい。そうすれば誰もがPRを理解した状態で、その人の強みや個性を最大限に発揮し、社会とのよりよい関係づくりをおこなうことができる。

PR業界がなくなったとき、現在のPR会社はどんな役割を担うのか。
おそらく「考え方・思想としてのコンサルティング的な役割」と「情報発信装置としての手法としての役割」に二分化されるだろう。どちらも重要であり、それぞれが補完し合っているが、少しずつ二分化されていっている流れがきている。いまPR業界で働いている僕たちPRパーソンは、これからどんな道を歩むのだろうか。

今日はなんだかグダグダした内容になってしまったが、自分へのメモとしていま考えていることを書き残しておく。

いただいたサポートは、年間でまとめて報告してどう使うか考えて記事にします!(500円までは、自分の甘やかしのためにコーヒー代に消えるかもしれませんがそこは許してください…)