【競馬回顧】2023年 宝塚記念 回顧

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前日はデインヒルの3×3が穴を空けて来るなど、雨こそ振らなかったがやはり欧州×突貫力が必要なタフ馬場という傾向は例年と同じ
当日はさらに前残りの馬場で、キズナ×欧州系が前に行って止まらないというケースが多発。Nijinskyの活躍や軽斤量での勝利も目立っていたのでディープボンドやドゥラエレーデ、アスクビクターモアやブレークアップの評価もちょい上げしたが、やはり地力を考えるとイクイノックスの牙城が揺るぐとは思えなかったし、他にオッズとの相対評価で上位にした馬も変わらず

最終的な印は以下の通り
◎イクイノックス
○ボッケリーニ
○ジオグリフ
▲ジャスティンパレス
▲スルーセブンシーズ
△アスクビクターモア
△ディープボンド
△ブレークアップ

結果としては「イクイノックス強すぎ!」以外にない
普段のペース以上に飛ばした逃げ先行馬たちが潰れて前が残らなかったのはともかく、スルーセブンシーズが内に切り替えて伸びたように、やはり欧州系統やステゴ系が荒れた方を通って伸びるのは想定通りだった
なのにイクイノックスは序盤下がった上に一番大外を回されて差し切るんだから着差以上の完勝
いくら以前書いた血統分解記事で「イクイノックスはキレ味を幾重にも強化しているディープ的競走馬」と書いていたって、こちらの想像にも限度がある。強すぎ

戦前はさすがにタイトルホルダーが出てきていたら負けるだろうなと思っていたが、ここまで強いと良い勝負をしかねない。むしろそのマッチアップを見てみたかった

2着のスルーセブンシーズはさすがにドリームジャーニー×池添謙一というグランプリコンビ。無視はできないし、このペースについていけた母方の米国性とのマリアージュも完璧に決まっていた
より早く内差しを選択できていれば勝てた可能性はあるかもしれないが、むしろそこまでしないと勝てないイクイノックスがおかしい

3着のジャスティンパレスは年が明けて20kg近くパンプアップし一皮剥けたのは今回で完全に証明された。今回、血統はベストと言えないことを考えればスケール感だけでいうと既にイクイノックスに次ぐ大物だろう。少なくとも宝塚参戦組の中では
ただこの馬が来るパターンになれば十中八九イクイノックスが来るとは思っていたので予想通りではある。勝ち方自体は予想外だったが……

そして今回最高の騎乗をしてくれたのはジェラルディーナの武豊だろう
このメンツの中で普段どおりに後ろから差し切ってイクイノックスを抑えられるほどのスケールはないだろうし、先行するには血統的に欧州要素が強すぎて厳しめかと思っていたが、大胆にもこの緩みないペースを3角あたりで捲っていく戦法には思わず舌を巻いた。確かにジェラルディーナを万に一つ勝たせるならこの乗り方だが、仮にも阪神2200mのGⅠを勝った馬でやるのだから肝が座りすぎている
結局最後は止まってしまったが、母が2013年の宝塚記念で見せた先行策で同じく伸びきれなかったことを考えると自然ではあるし、こればかりは仕方がない
改めて天才の天才たる所以を垣間見たし、馬券外とはいえ完璧な4着だろう

○を打っていたジオグリフは終始ディープボンドの一枚外にいたことを考えれば、オッズとの比較で考えても決して情けない着順ではない
個人的には道中もう一頭分は前に行ってほしかったが、事前の調整がかなり変則的であったこと、直前の木村調教師のコメントがやたらと歯切れが悪かったことを考慮するとあまり強くは言えない
複勝圏に入れば御の字、順調に行けばもしかしたら……という一発勝負枠だったので○を付けたのに悔いはない

ボッケリーニは上がり3位タイの脚を使えていることを考えるとやはり血統的にこの舞台は合っていたはず
あとはこのタイトなペースに自身のスケールが間に合わず先行できなかったのが響いたか。オッズを考えると○としたのはやりすぎだったかもしれないが、やはりアタリの付け方は合っていたように思うし、全兄・ラブリーデイが勝った時は前半1:02.5、全体2:14.4の時計だったことから、自分がペースと力量のバランスを読み違えた形だろう

ほかは血統適性的にわりと合っていたものの、表出する部分に器用さや突貫力が足りないカラテやライラックなどは消せていたのは良かったか

イクイノックスが勝つならもう少し先団に取り付いているだろうと思っていたので、レースの内容自体は予想の上を行っていた宝塚記念だった。早く次のレースが見たくてしょうがない



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