ライオンのごとく来たりて、子羊のごとく去る

きょうはついに、『3月のライオン』16巻の発売日です。

3月のライオン


 もう昨日になってしまいましたが、スマホにAmazonから通知がきました。

 「商品が発送されました」

 ようやくヵ~、とちょっと仕事の手をとめて、物語を脳内回想してしまいました。

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 羽海野チカさんの「3月のライオン」。15巻の発売が2019年の年末頃(?) でしたから、1年10か月ぶりの新刊ですね。

 待ちくたびれましたよ。

 ようやく続きが読めるなんて…、なんてステキなんでしょうか。


 作者の前作は、「ハチミツとクローバー」。これもよかったですね。青春の葛藤と、切なさと、恋愛に揺れる感情、いろんなものが絡み合っていました。読んでいて、心惹かれる苦しさがありました。(それ以上に、物語の美しさに心を打たれるわけなのですが。)


 そんな前作を、「3月のライオン」はすでに超越しています。

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 3月のライオン

 15歳でプロ棋士になった過酷な過去を持つ少年が、彼の周りにいる人達との関係の中で、成長していく物語です。つらい過去と向き合いながら、足りないモノを埋め続けていく、そんな物語と心情描写が、ココロの動揺を誘います。

 さっき、14巻と15巻を読み返してみたのですが…。

 やっぱりいいなと思うわけです。


 15巻の最後で、年配の棋士が主人公に、こういいます。

 「きみはここまで、本当に…

  本当によく、がんばったんだな」

 こみ上げますね…。(ここだけ書き出しても、まったく伝わらないかもしれませんが。)


 先日終了した「進撃の巨人」も好きでしたけど、それとはまったく異なる高揚を覚えます。人間が関わりあうところに転がっている小さな愛情の温かみが、伝わってきます。


 なんか、もっときれいな文章で伝えたいところですが…、気になった方は読んでみてください。


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 このあと、どんな展開になるのか、わかりません。

 ただ、思うに…。

 「人間の幸福のカタチとは、こうではないか?」という問いに対する、一つの回答を提起してくれるのではないかと、勝手に想像しているわけです。


 最近の漫画は、面白い作品が多いと思う一方で、どこか突き抜けてないような気がしています。”どこかであったような感じ” がするものが多いんですよね。まぁ、それはわたしが年齢を重ねたせいもあることでしょうから、ある程度は、仕方がないことでもあるのですけど。

 それもあって、「3月のライオン」は楽しみなんです。



 March comes in like a lion, and goes out like a lamb.

 「3月のライオン」の由来になったといわれる、イギリスのことわざです。徐々に穏やかになっていく3月の天候を表しています。


 あるひとが、こんな解釈を紹介していました。

 「苦しみの後に、幸せが訪れる」


 このあと、どんな展開になっていくのか。

 本当に楽しみです。



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