【ドラムはじめて物語〜その①】

遡ること数十年ほど前・・・
その頃、さおりはキーボードでコピーバンドをやっていた(出来る楽器が鍵盤しかなかった)

でも…なんかつまんないなぁ~。
そろそろコピーじゃなくってオリジナルとかやりたくね?(曲も作れないくせに)

キーボードってのもなんか飽きてきたし次は他の楽器を…と、まず目指したのはギタリスト!

なんの知識もないのに楽器屋さんに乗り込み「すいません!今日からギターやるので一番安いやつください!」と一万円のギターを購入。

早速、自宅に帰ってコードを押さえてみるものの、指プルプルの地味な作業に耐えられず15分で挫折。その後、二度とギターに触ることはありませんでした。

さてさてギタリストへの夢を15分で諦めたさおり…ギタリストの夢は諦めたけどオリジナルバンドの夢は諦めていないぜっ。

よし、じゃあドラムならコードも覚えなくていいし、簡単そうじゃね???
と、なんとまぁ全ドラマーを敵に回しそうな理由で次はドラマーになることを決意。

ちょうどいい具合に楽器屋さんで「ドラム教室、体験レッスンやってます」の貼紙を発見。さっそく行ってみよう!!

とりあえずスティックだけ買って体験レッスンに参加。全くのドラム初心者なさおりに先生が教えてくれたのは超スローな4ビート。ギターと違ってドラムはすぐに音が出た。

感激っ!!!

まぁ、どんなバカでもドラムは叩けばとりあえずは音が出るからね。足と手が一緒になったりしたものの、なんとか4ビートを叩くさおり。

すると先生…

「すごいっ!上手いよ!ほんとにドラムやったことないの?はじめてでここまで叩ける人はいないよ!ドラムの才能あるんじゃない?」と褒めちぎるではないか。

やーだーぁー!そぅかしらぁぁあー?あたしったらドラムの才能あるのかしらぁぁー!

すっかりその気になったさおり、翌週からドラムレッスンに通うことをその場で決定(単純)

そんなわけで先生の一言に乗せられてしまったばっかりにさおりのドラム人生は幕をあけてしまったのでした。

おだてられてその気になってはじめたドラムだがやっぱり楽しかった。
グループレッスンだったそのドラム教室はさおりの他に小学生が3人。60代のおじさんが1人。

なんか微妙な環境でしたが、週イチのレッスンが待ち遠しくて待ち遠しくて仕方ありませんでした。

そんなある日、さおりは切ない光景を見てしまったのです。
レッスンをはじめてから約一ヶ月後…
中学生の女の子が体験レッスンにやってきました。

さおりの時と同じように超スローな4ビートを教える先生。
はじめて叩くドラムにその中学生はドギマギしながらも嬉しそう。
うんうん、わかるわかる。

そして次の瞬間、先生はその子にこう言いました。

「えーっ?ほんとに今日ドラム叩くのはじめて?!うまいよ!普通、最初はここまで叩けないよ!」

・・・・・・あれっ。
なんかどっかで聞いたセリフ・・・

そしてさおりは気付きました。

先生の言う「才能あるよ!」は、体験レッスンにきた子にやる気を出させ、レッスンに入会させるための手だってことに・・・。
もちろんその「才能ある中学生」はその場でレッスン入会を決意したようです。

あとから聞いた話ですが、先生いわく、生徒が一人増えれば当然その分、先生の給料が増える。そりゃあ先生も必死よね。

基本的にさおりは勘違いだらけの人生を送っております…。

そんなわけで決してドラムの才能があるわけではないことに気づかされたさおりですが、やっぱりドラムは楽しかったので真面目にレッスンに通い、早くバンドを組んでドラマーデビューすることを夢みておりました。

そんなある日…

またしても「勘違いさおりん」の心を動かす出来事に遭遇することになります。

さぁ、単細胞さおり、今度は一体どんな勘違いをするのか!?

次回、ドラムはじめて物語その②につ•づく♫

ちなみにここらへんのお話はどう考えても10代の若かりし頃だと思われがちですが、20代も半ばを過ぎた頃のお話ですのでそこんとこ宜しく。

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