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舌火MCB第三幕 Piy0mame vs 茶鹿秀太


あいさつ

 クサリです。プロフにも記載があるようにVRChat(以下VRC)でラップしたり、MCバトルの大会を開いてます。
鉄は熱いうちに打てと言うように、昨晩の舌火MCBattleでMCたちから受け取った火は、強く燃え盛るうちに言葉にしたいと思ったので、今回この記事を書かせてもらいました。
文章を書くのもnoteの仕組みも不慣れなため、読みづらいかと思いますが、自分が受け取ったものを記してますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
参考までにこちらがアーカイブとなります。


舌火MCBattle

 本題に入る前に、舌火MCBattleってなんぞやという方のために軽く説明を。
 舌火MCBattleとは、火花が散るような本気のMCバトル(即興ラップでのバトル)を見たいなという自分のエゴ。これまでVRCのMCバトルで、プレイヤーとして出たときに抱いた、「トーナメント表の確認とかをVR機器を外さないでできたらな・・・」という素朴な感想をワールドで解決したい。
そしてVR空間でのHIPHOPシーンの盛り上げに貢献したい。
この3つを形にしたいと発足したMCバトルです。
次の項で話しますが、実は第三幕を終えたら第四幕はやらなくてもいいかもと思っていました。

準決勝第1試合 Piy0mame vs 茶鹿秀太

 さて本題です。試合の優劣を主催者が明言してしまうのはご法度のようにも思いますが、この試合については自分自身くらってしまい、大会中のMCでも言ったように聞き入り、そして涙を流してしまったためベストバウトだったと言わざるを得ないものでした。ここで二人との関係性をちょろっと。
 
 Piy0mameちゃんとは去年サイファーで出会い、VRCはもちろんのこと、一緒にアニメを見たりゲームをしたり、一緒に曲を作ったりと、よく遊ぶ仲で、舌火MCBattleの姉妹イベント灯火MCBattleにも出てくれた酒飲みラッパーです。いつもバイブスが高く、彼といるときはいつも笑顔になれる、そんなマイメンです。
 茶鹿秀太(以下しゃろしゅー)とは、もう三年前とかになるのでしょうか。今はVラッパーとして活躍されてる彼がVtuberになる前、共通の知り合いが年末に開いたDiscodeでのMCバトルでご一緒し、デビュー後は彼の配信にお邪魔させていただいたりしていました。また、舌火MCBattleの第一幕王者でもあり、自分がプロデュースした #舌火_MCBattle マイクリレー『炎心 -enhisn-』にも参加いただいていました。
彼もバイブスが高く、内に湧くものをすべてぶつけるような全力のラップを魅せてくれるかっこいいラッパーです。

 さて話を戻しましょう。彼らの吐いた言葉とともに、自分が受け取ったものを記していきます。

しゃろしゅー 1本目

せっかく先行でマイク握らせてもらったんだ
言いたいことを言わせてくれよリスナー 
負けたMCが明日の夢双バトルのことばかり言いやがる
俺は舌火にかけてるから
第一幕俺はこのバトル
優勝させてもらった恩義がある
その中で舌火クサリさんには縁がある
俺は恩を果たすためにこの場所に立ってる

 MCたちの宣伝の場でもあるので、負けた側からの一言については何も言わないようにしていたのですが、実際自分が「明日のことばかり言うなぁ・・・」と思ってたところに最初にこれをぶつけてくれたとき、すでに泣きそうになっていました。
そして後半4小節目、優勝は自分がさせたんじゃなくて、しゃりしゅーがもぎ取ったものだし、あの第一幕を盛り上げてくれたおかげで、ラップを始めた人もいるんだ。しゃろしゅーに感謝してもしきれないのはこっちだよと思ってました。

Piy0mameちゃん 1本目

別に明日のこと言ったって関係ねえだろ
今日も頑張る 明日も頑張る
それだけでいいんだよ
人はそれぞれ やりたいことやれるのが
このVRCの魅力だろ
俺だって今日も飲む 明日も飲む
二次会三次会も俺のこと呼んでくれよお前ら
そんな感じだぜ 酒は三本目絶好調だ

 第三幕を開く前日、自分は下記のようなツイートをしました。

これは負けたMCの何人かが最後の一言で口々に発していた、Clusterで開催される夢双MCBattleが、VR空間での出来事や、新器材の紹介をしているサイトで取り上げられているのを見たことが発端でした。
というのも記事を寄稿している方から、「舌火MCのBattleを記事にしようと編集部にかけあってみたけども、MCバトルでピンときてなくてできなかったんですよね」というお話を過去にいただいていたのですが、上記の記事を目にしたときに「MCバトルかどうかじゃなく、自分の知名度が問題なんだ。じゃあ自分なんかやる必要あるのかな。規模小さいし、賞金も全然出せない、もちろん協賛がつくこともないし、そっちのほうがMCたちの知名度にもつながるんじゃないかなぁ・・・」とぐるぐる考えてました。
そんな話をPiy0mameちゃんとVRCで話してました。
 
 きっと本人にはその自覚はないかもしれないけど、最初の5小節目はシャロシューに対してのアンサーでもあり、こんな自分へのメッセージなんじゃないかと思っていました。
8小節目も三本目を飲んでるだろうけど、第三幕とかけているのかなと思ったり。

しゃろしゅー 2本目

酒三本目絶好調 
だけどなぜだろう
頭の中が酔っ払っても
明日のことなんて
何も考えられねえよ俺には今日しかねえんだよ
今日シーン上で言葉を語るんだよ
俺はインタビューの動画上げたときにはガザ地区の紛争
(ここらへんは自分の耳が悪いせいできちんと聞き取れてない)
なんかあげたけどもおれの言葉はいつだっていうさ
全員死ね 俺なら俺が勝ってる

 前半部分の今という刹那に生きているようなラインが、別のことではなく今目の前で起こっていることを言葉にすることを重んじてて、即興の作詞と違う部分である、限られた時間の中で言葉を出す魅力を表現してて素敵だと思いました。(小学生の読書感想文みたいになっってしまった。)

Piy0mameちゃん 2本目

いいことを教えてやる
明日がねえ 今日しかねえんじゃねえ
俺だって明日のことを考えると
不安で寝れねえから
ブランデー開けて寝てる毎日
だけどもそうならば
もう酒を飲めって話だ
酒を飲め明日のことを考えないために
酒を飲むんじゃない
今日を楽しむため
明日のために酒を飲んでるんだ

 Piy0mameちゃんはお酒が好きなのがよく伝わるし、楽曲でもお酒の話をたくさんしてる。ここには彼なりの処世術が見えるし、それって生き方でもあって、しゃろしゅーの今を生きるライブ感へのアンサーですごく好きでした。
中でもラストのラインは酒をマイクに変えても考えられるなと思いました。

しゃろしゅー 3本目

そのとおりだ 今日を楽しむために酒を飲んでる
だから優勝しか見えてねえんだ今日は
将来の夢ここで語ってる
スポットライトの先の光を浴びに行きたいと思ってる
マイクを握って何を語ってる
俺は夢だけじゃねえ
現実もみてる現実もリアルも
バーチャルもすべて見てる
バーチャルリアリティって場所に立ってる

やっぱり酒をマイクに置き換えてるのかなと感じた。
自分が作詞をする中でマルチミーニングを良くするのですが、
浴びてるという言葉が酒にも光にもかかっていてすごくかっこよかった。
酒を浴びても潤せない光への渇望をこの即興の中で感じられました。
また、現実とリアルと分けてるの、これは勢いで二回言ってしまってるとは思うのですが、自分はしゃろしゅーの中の人の現実(中の人とかいうな)、茶鹿秀太としてのリアル、そしてVRCという仮想でありながら現実(リアル)で行われているものを見てて、すべてを大切にしているしゃろしゅーがすげえかっこよかったです。
バーチャルもリアルでバーチャルリアリティと、死ぬほどこすられた言葉ですが、やはり何を言うかではなく誰が言うかですね。
逃げてばかりの自分とは大違いです。

Piy0mame 3本目

あんま背負いすぎるな
明日のために優勝なんて言うもんじゃねえぜ
勝ち負けはその先だぜ
そんな事考えなくていい
今を楽しめそれだけだろ
そんな感じ 俺はずっとやってきた
気づいたらこんな時間まで歌いながら飲んでらぁ
そんな感じで構やしねえのさ
もっと肩の力抜いて型にはまらず楽に行こう

 勝負事なので、勝敗という結果は大事です。でもそこまでのプロセスで何を得たかと言うのはもっと大事だと思います。Piy0mameちゃんは、ラップやサイファー、VRCを、一回戦のマッチメイクで指名したげきれーさんに去年教えてもらった身です。
その教えてもらっものを通じて"楽しむ"ことを重きに置くことを得たんだと思いました。Piy0mameちゃんにこれらを教えてくれたげきれーさんには感謝ですね。
最後まで楽しむことを大事にしようというメッセージがあり、一本筋が通っていてすごく好きです。


 勝ちを求めるしゃろしゅー、今この場を楽しむことを求めるPiy0mame
この二人のバトルはなんと観客表7対7できっちりと分かれました。
インスタンスには25名ほど観客がいましたが、多くの観客が判定をつけられずにいました。
自分も聞き入って終了の合図を出さないくらいには聞き入り、勝敗をつけられずにいました。

準決勝第1試合 延長戦

Piy0mameちゃん 1本目

変わらねえぜ延長線も
酒飲みながら腫らす扁桃腺も
そんな感じだろ声を枯らしながらやっていく
これが一番楽しいんだからさ
やめられねえよな酒と同じさ
酒もラップもライムが重要ってことは
誰も言ってる
現代社会クソに向けるライフの銃

 前述の楽しむスタンスを改めて提示し、強調してましたね。
やめられねえよな酒と同じさというラインは、彼の中でラップが、肝臓G判定になるくらい好きなお酒と同じくらい好きになってるんだ。ということを表現していて嬉しい気持ちになりました。

しゃろしゅー 1本目

現代社会はクソ
だけども上げてく空想
VRChatからいざ参上
I'm 茶鹿秀太
(聞き取れなかった)のプレイヤー
頭おかしくなりそうなラップばかり
やってるだけさ
俺即興のセンスだけで勝てるわけない
Piy0mameさんわかってるけど(ここも聞き取れてるかわからない)

 バイブス高すぎてところどころ聞き取れてはいなかったんですが、
改めて自分のスタンスを提示したPiy0mameちゃんに対して、自分の座標を提示するアンサーで且つ、Piy0mameちゃんにセンス以上のものじゃないと勝てないとビッグリスペクトを送っていて、バトルの美しさを感じました。

Piy0mameちゃん 2本目

十分にわかってる
俺も頭おかしくなりそうだが
すでにおかしくなってる
これどうかしてる
これいなすために追い酒するだけだろう
そんな感じ空箱の中には
いろんな世界が広がってらぁ
そういうことを伝えるためにマイク握ってんだ
わかるか (聞き取れなかった)じゃねえ俺は

 VRChatは際限なく広がっていく宇宙のようなもので、無限遠点のように遠目から見るとまだ隙間が多く、存在するワールドなども点のように見えますが、その点の中にはたくさんのものがある。これまで受け取ったものを次は自分が楽しんだものを通じて他者へ伝えたい気持ちを表現してる最高のラインでした。

しゃろしゅー 2本目

そのとおり空箱には様々ないろんな物がある
だが十人十色の11色目になりたいと思ってる
普通の人間になりたいなんて思わない
俺は俺しかいない
みんながみんな言う
社会人になって辛いことがある中
君は君のままでいいんだよ
ふざけんじゃねえよ
俺はマイク握ってラップやってるよ

 この文字起こしをしながら泣いています。
バトル中も、アフターでこのターンの話をしたときも、アーカイブを見直したときも。
自分も社会人になってだいぶ経ちますが、集団でいるために個を捨てなければいけない事がたくさんありました。そのくせネットなんかでは昔からそのままでいいという言葉は蔓延し、憤りを感じてました。
これをふざけんじゃねえと一蹴するしゃろしゅーの姿がすごくかっこよく見えました。
そして俺は俺しかいないというライン、これは自分にも言えるし、この舌火MCBattleにも言えることで、代わりなんてないんだと思えました。
また、Piy0mameの延長前のラストの型にはまらずへのアンサーでもあり、伏線回収を感じました。(オタクは伏線回収大好き)
この舞台を作ってよかった。またやりたいと強く思いました。

Piy0mameちゃん 3本目

間違いねえぜ自分っていうものを
しっかりと鼓舞し続ける
それを周りに広めるってことを
しっかりとできれば勝ち負けなんてそんなものは必要ねえと思ってるから
酔いが回ってきたでもこの世は
ワンナイトで終わんないように
ターンテーブルの上で歌い続けるだけだ
そうすれば酒のおかわりができるから

 希望ですよね。
この2人のバトルに命題をつけるとしたら未来じゃないでしょうか。
終わりなんてない、そう思いました。
このバトルをずっと見ていたいと思いました。
このバトルが終わってもまだ続きはここから広がっていく。
受け取ったものを伝えたいという人がいる限り絶対に終わりなんてない。
続く限りおかわりがありますからね

しゃろしゅー 3本目

その通り聞こえてくる
ターンテーブルから流れる音
俺は個人サークル a little mermaid
そこから流れる音
すべてを奏でよう
俺が今日優勝して背中にすべてを背負(しょ)おう
背負い続けた荷物の重さが
俺の人生の重さに変わるのさ
俺の言葉が軽いと感じるやつ
軽んじるだけで過労死するだけ

 『炎心 -enshin-』のしゃろしゅーのラストバースでの"証明する「男は背中」"がここでくるんだなと感動しました。
本人も動画のコメントに思い入れがあると残してるのですが、こんなに大切にしてもらえてすごく嬉しかった。
背負いすぎるなとPiy0mameちゃんに言われても、それが自分になると最後まで曲げない真っ直ぐな気持ちに痺れました。
そしてこれを見て何も感じず軽いと思う人は、彼が言う通り社会の中の群のまま死ぬだけだと思います。


おわり

 ここまで読みづらい文章を読んでいただきありがとうございます。
書ききれない言葉にできない気持ちがたくさんありますが、ここで終わりにしたいと思います。 
 判定の結果、このバトルはしゃろしゅーが勝利します。
しかもこの準決勝で言ったように優勝をします。
でも、自分はこの試合には勝ち負けなんてないと思いました。
それこそ、このバトルを通し何を得たかをこれからもずっと大切にしようと思いました。

第三幕、開催してよかった。
舌火MCBattle、作ってよかった。


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